[メキシコ市/オタワ 23日 ロイター] - 北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を巡り、トランプ米大統領が協定破棄の可能性に言及したことを受け、メキシコとカナダは23日、交渉で有利な立場に立つための戦術に過ぎないとの見方を示した。

トランプ大統領は22日夜にアリゾナ州で開かれた集会で、NAFTA見直しでの合意に懐疑的な見方を示し、「ある時点でNAFTAを打ち切ることになる可能性があるだろう」と述べた。

また、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は23日に発表した声明で、NAFTAの根本的な欠点を見直すため米国は「大幅な修正」を求めていると指摘。「トランプ大統領は最初から、再交渉がうまく行かなければNAFTAから撤退するとの立場を明確にしてきた」と強調した。

メキシコのビデガライ外相は現地のテレビで「トランプ大統領は自身特有のスタイルで交渉している」と語った。またグアハルド経済相は、交渉が決裂した場合に備えてメキシコは「プランBを非常に明確に策定している」と述べた。ただ詳細には踏み込まなかった。

カナダのトルドー首相は記者団に対し、同国の当局者は「交渉の場で直面する困難な作業に引き続き注力するだろう。その点について何も変化はない」と述べた。トランプ氏の発言には直接言及しなかった。

*写真を差し替えました。