人生の成功を後押ししてくれるマインドセットを構築しよう。

「マインドセットの落とし穴」を知る

減量や転職、新たな特技の習得、事業の立ち上げなどを目指しているとき、大切なのは、自分の心を正しい場所に置いておくことだ。
心が正しい場所になければ、集中力は簡単に失われ、考えすぎや過度の分析、批判的な決めつけ、安全第一主義などの一方通行へとつながり、その結果、目標は達成不可能なミッションに思えてしまう。
このような「マインドセットの落とし穴」は、過去の環境における条件づけや信念の結果であって、すべてがあなたの責任というわけではない。だが、もしあなたがこうした信念を覆すための行動を何も起こさないのなら、それはすべてあなたの責任だ。
本記事では、メンタルの強化に即効性のある5つの習慣をご紹介しよう。

1. 「望まないもの」に焦点を当てるのをやめる

これについての問題点は、あなたの脳の一角が人生に望まない物事で占められてしまうということだ。加えて、望まない物事に対して意識過剰になるせいで、不要なストレスや間違いを犯すことへの恐怖も生じることになる。
その結果、意図せず、望まない物事を人生にさらに呼び込んでしまうことになる。デザートを1カ月間頑張って避け続ければ、きっとあなたは、あらゆるところでデザートを食べる機会があることに気がつき、お気に入りのパイの夢を見るようになるだろう。
大切なのは言葉だ。なぜなら、あなたが心のタンクを満たすのは言葉だからだ。
「望まないもの」ではなく、「望むもの」に注意を向け続けよう。そうすれば、望ましい物事をもっと多く自分の人生に引き寄せられるようになるはずだ。

2. 「比較ゲーム」をやめる

喜びがなく、十分な満足感を決して得られない人生を心から望んでいるのなら、「比較ゲーム」に参加しよう。まわりを見回して、ほかの誰もが自分よりも金持ちで、スリムで、才能にあふれ、成功していると思い込む。それが比較ゲームだ。
ソーシャルメディアでも、この比較ゲームが落とし穴になる。ソーシャルメディアは、最初はモチベーションになると感じるかもしれないが、やがてそれは次第に、いまの自分の人生と「ほかの人」との比較になる。
野心とはすばらしいものだが、人は演出されていない人生を日々送っている。そうした人生を、キュレートされ、磨き上げられたソーシャルメディア上の人生と比較するのはやめよう。

3. 意見を聞くべき相手を間違えないようにする

自分の意見を述べることは誰にでもできる。だが、だからといって、あなたがその人の言うことに耳を傾けなければならないわけではない。
あなたにとって可能なことは、一部の人たちにとっては不可能なことかもしれない。なぜなら彼らは、まったく違うレンズで世界を見ているのだから。
悪態をつく必要はないが、アドバイスを受ける相手は自分で選ぼう。
その人は自分と波長が合うだろうか。その人は、自分の分野と比較できる分野で成功しているだろうか。その人は、自分が自身の人生に望むような日々を送っているだろうか。
もし答えがノーなら、礼儀正しく微笑んで礼を述べつつ、聞き流すべきだろう。あなたのビジョンに価値を追加してくれる人たちの意見だけを聞くようにしよう。

4. 自分ひとりで全部できると思い込むのをやめる

ヒーロー・シンドローム(英雄症候群:英雄願望や自己顕示欲の強い人間にありがちな精神状態)は、人生を停滞したままの状態にするうってつけの方法だ。
あなたは知的で、素晴らしい資格や高度な技術を持っているかもしれない。だが、マーシャル・ゴールドスミスが我々に思い出させてくれるように「これまでの方法が今後も通用するとは限らない」。
人生における大きな功績や偉業はすべて、それを支えた人々の努力だったのだ。名声や悪評を受けるのは歌手や投資家、起業家などかもしれないが、その過程で支えてくれるサポートグループが彼らにいたことは間違いない。
これは容易なことではない。なぜなら、助けを求めるとき、人は自身を無防備な状態にさらすことになり、大多数の人にとってそれは恐ろしいことだからだ。
しかし、恐怖心や頑固さが強すぎて助けを求められないのは残念なことだ。あなたのエゴに「最高の自分」の実現を邪魔させないようにしよう。

5. 「タイムトラベル」をやめる

タイムトラベルと聞くと、誰もが経験してみたいSF的体験のように聞こえるかもしれない。しかし、人生を向上させたい人にとって「タイムトラベル」は望ましいものではない。
過去へのタイムトラベルは、思い出を呼び起こすだけで、それが罪悪感や、無数の「もしも……」シナリオへとつながる恐れがある。そのどちらも「現在」にとっては生産的ではない。
一方、未来へのタイムトラベルは、あなたを不安にさせる。確実なことは何もないからだ。これが導く先にあるのは、躊躇や、焦点の定まらない仕事ぶりだけで、やはりこれらも「現在」には何の利益ももたらしてはくれない。
もしあなたが自分の人生や事業、健康などといった物語の筋書きを変えたいと思っているなら、まずは現在に集中し、マインドセットの強化に焦点をあてよう。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Julian Hayes II/Founder, The Art of Fitness & Life、翻訳:阪本博希/ガリレオ、写真:phototechno/iStock)
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This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with IBM.