AI産業に「トランプ効果」。世界の頭脳はカナダを目指す

2017/7/20

チャットボットで移民申請をサポート

カナダへの移住手続きをナビゲート――。
モントリオールに住むイラン出身のコンピューターエンジニア、アミール・モラベジュ(33)は昨年、そんなソフトウェアの開発に取り組んだ。数年前、自らが移住に当たって味わった苦労を避ける手助けができたら、と思ったからだ。
そこへ来て、アメリカ大統領選が行われた。
「トランプ(の勝利)によって、すべてが加速した」。1年ほど前にソフトウェアスタートアップ、ボトラーAI(Botler AI)を立ち上げたモラベジュはそう振り返る。
移民問題がアメリカ政治の争点に浮上するなか、ボトラーAIはカナダの特定の移民プログラムについて、申請者の問い合わせに答えるチャットボット開発への資金投入を強化し始めた。
さらに5月には、AI(人工知能)の先駆者でモントリオール大学学習アルゴリズム研究所(MILA)所長のヨシュア・ベンジオを、戦略顧問として迎えると発表した。
移民プログラムに関してベンジオの頭脳を活用できるとなれば、カナダは今後、テクノロジー分野の優れた人材を集めやすくなるかもしれない。

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