のんびり過ごす夏に欠かせない本

のんびりと過ごす夏がやってきた。のんびり過ごす時間には、何冊かの本が必要だ。
ビジネスリーダーや起業家、思想的リーダーが推薦する書籍のリストは、あちこちで紹介されている。だが、自分に役立ちそうな書籍を本当に知りたいなら、ほかの一般読者がどんな本を手に取っているかを参考にしてはいかがだろうか。
その点、アマゾンは読書家たちの傾向を把握している。ユーザーが購入している本や、同社の電子書籍リーダー「Kindle」にダウンロードしている本の膨大なデータを持っているのだ。
夏に読む本でタブレットや本棚をいっぱいにしようと考えている人にとって、アマゾンのベストセラーリストはうってつけのガイドになる。
「ビジネス」および「リーダーシップ」カテゴリーのベストセラーリストで、ランキング上位(原稿執筆時点)に挙がっている書籍から15冊をご紹介しよう。

技術が変える経済、パーソナルファイナンスの古典

1.『Option B(オプションB)』シェリル・サンドバーグ、アダム・グラント著
大きな人気を集めている本書は、ハードカバー、電子書籍など3つのフォーマットでアマゾンのベストセラーリスト入りした。
フェイスブック幹部のシェリル・サンドバーグが、夫の悲劇的な死を経験したのち、立ち直りに関する最新研究と、友人で心理学者のアダム・グラントの助けを借りて、前に進む方法を見いだす過程を描いている。
2.『ザ・セカンド・マシン・エイジ』エリック・ブリニョルフソン、アンドリュー・マカフィー著(邦訳:日経BP社)
テクノロジーが経済を根底から変えていく様子を伝える本書。2014年の出版以来、いまなお人気を保っていることは、いかにこの状況に不安を覚える人が多いかを示している。
しかし、本書が最終的に伝えるメッセージはポジティブだ。レビューには「楽観的」「希望がある」との言葉が並ぶ。
3.『The Healthy Habit Revolution(健康習慣の革命)』Derek Doepker著
のんびり過ごす夏の間に、人気のセルフヘルプ本を読んで生活習慣を見直し、より健康的なライフスタイルを手に入れてはどうだろうか。本書によると、1日たった5分で人は変われるという。
4.『人と企業はどこで間違えるのか?』ジョン・ブルックス著(邦訳:ダイヤモンド社)
「ウォール街の物語」を集めた本書を推薦する言葉として、熱心な読書家として知られるビル・ゲイツの以下のコメントを超えるものはないだろう。「私がこれまで読んだ中で、いまなお最高のビジネス書だ」
5.『I Will Teach You To Be Rich(リッチになる方法、教えます)』Ramit Sethi著
この率直なタイトルを見れば、パーソナルファイナンスの古典である本書が出版から8年を経てなおアマゾンのベストセラーリストに入っている理由が納得できる。本書は、「20~35歳向けに、6週間のパーソナルファイナンス・プログラム」を指南するものだ。

行動経済学に「文学を読む」指南書

6.『予想どおりに不合理』ダン・アリエリー著(邦訳:早川書房)
「行動経済学者で、ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに取り上げられた著者ダン・アリエリーが、現在の経済危機を引き起こした不合理な意思決定について、待ち望まれた考察を加えている」とアマゾンの説明文には記されている。
7.『Mini Habits(ミニ習慣)』Stephen Guise著
あなたがこれまで人生を変えようとして取り組んできたことは、すべて間違っていた。大きな変化を起こす最善の方法は、野心的な目標でも、抜本的な改良でもなく、少しずつ前進することだと本書は説く。
8.『メンタルが強い人がやめた13の習慣』エイミー・モーリン著(邦訳:講談社)
口コミで大きな話題を呼んだブログ記事を書籍にまとめたもの。著者は心理療法士。
9.『大学教授のように小説を読む方法』トーマス・C・フォスター著(邦訳:白水社)
文学を読むための古典的指南書が、ビジネス書のベストセラーリストに入っているのは意外だ。しかし有能なリーダーは、他人に影響を与え、他人を理解するうえで、フィクションが大きな手がかりになることを知っている。本書はそんな彼らの興味を引くのだ。
10.『人生がときめく片づけの魔法(The Life-Changing Magic of Tidying Up)』近藤麻理恵・著(サンマーク出版)
この夏の休暇を過ごす最善の方法は、家を片づけることかもしれない。日本の片づけコンサルタントによるこの大ヒット書籍は、散らかった家をすっきりさせるコツを段階的に指南してくれる。

マインドフルネス、習慣を変える方法

11.『The Upstarts(新興企業)』Brad Stone著
起業家の夏の読書にぴったりの本書は、「ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに入った『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』(邦訳:日経BP社)の著者が、シリコンバレーの新世代企業に深く迫った1冊」と、アマゾンの説明文には記されている。
12.『10-Minute Mindfulness(10分間のマインドフルネス)』S.J. Scott、Barrie Davenport著
忙しい人のためのマインドフルネスを提唱する本書は、「1度にほんの数分間でも、いまこの瞬間に自身を集中させる方法」を71ものテクニックで紹介している。
13.『習慣の力 The Power of Habit』チャールズ・デュヒッグ著(邦訳:講談社)
こちらも、習慣を変えるための指南書だ。本書では、受賞歴をもつニューヨーク・タイムズのビジネス記者が、習慣がどのように形成され、また修正されるかを科学的な視点から解説している。
14.『Extreme Ownership(究極のオーナーシップ)』Jocko Willink、Leif Babin著
米海軍特殊部隊だった著者2人が持つ戦闘員としての経験は、「ビジネスや人生の教訓として役立つ」と、アマゾンの説明文には記されている。ハードな戦闘描写が満載の本書は、ラウンジチェアに横たわりながら読む読者に臨場感あふれるスリルをもたらすと同時に、リーダーシップについての有益な教訓を与えてくれる。
15.『いつでもどこでも結果を出せる自己マネジメント術』ジョスリン・K・グライ著(邦訳:サンマーク出版)
創造性と生産性について取り上げたウェブサイトの内容をまとめた本書は、「忙しいだけの仕事をする」のではなく「最高の仕事をする」ための指南書。夏休みの間に、生産性を高めるテクニックをたくさん身につけたい人にお勧めの1冊だ。
みなさんはこの夏、どの本を読みたくなっただろうか。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Jessica Stillman、翻訳:高橋朋子/ガリレオ、写真:Jacob Wackerhausen/iStock)
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This article was produced in conjuction with IBM.