[東京 27日 ロイター] - 米ウエスタンデジタル(WD)<WDC.O>は27日、東芝<6502.T>のメモリー事業買収について、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)<KKR.N>と共同で再提案したと発表した。WDは東芝側にデッドファイナンス(負債性資金)を供与するという。

WDの広報担当者は「提案内容の詳細は明らかにできない」と話している。関係者によるとWD側は今後、産業革新機構や日本政策投資銀行との連携を目指すという。

東芝の広報担当者はWDの提案に対し、「全ての提案を評価した結果として、6月21日に発表した優先交渉先との合意を目指して交渉を進めている」とコメント。革新機構、政投銀、米投資ファンドのべインキャピタルに、べインに融資する韓国半導体大手SKハイニックス<000660.KS>を加えた企業連合との合意を目指す方針を強調した。

東芝の綱川智社長は23日の記者会見で、革新機構などの連合と28日までに最終合意を目指すと説明。28日には東芝の株主総会が予定されており、同社の経営陣は総会でメモリー売却にめどをつけたと株主に説明することにこだわってきた。

SKハイニックスとWDはフラッシュメモリー市場で競合しており、両社が相乗りする形の連合は考えにくい。革新機構とWDとの連携に転じることになれば、21日に優先交渉先に決まった企業連合の枠組みに抜本的な変更が生じることになる。

その場合、革新機構の意思決定機関の「産業革新委員会」で、「改めて承認を取る必要がある」(機構関係者)ため、東芝が28日までとしていた最終合意が遅れることになりそうだ。

*内容を追加しました。

(浜田健太郎)