「楽しく働く」ことは、ちょっとした工夫で意外と簡単に実現できる。

どんなに頑張っても、ついていない日

ソーシャルメディアを見ていると、誰もが素晴らしい仕事についていて、その仕事を愛しているように思えるかもしれない。
そして、それは間違ってはいないのかもしれない。「仕事が好きだ」というツイートは「仕事が嫌だ」というツイートの5倍近くに上るというデータもある。
しかしときどき「自分の何がいけないんだろう」と思ってしまうことはないだろうか。働くのが自分のためであれ、ほかの誰かのためであれ、ときおり仕事に関して気分が落ち込むのは自然なことだ。どんなに頑張っても、ついていない日はある。
研究によると、自分の仕事を愛せるかどうかは、仕事そのものよりも自分自身の問題なのだという。
実際、毎日ハッピーに仕事をするための、手軽で簡単な方法がいくつか存在する。楽しく仕事ができれば、生産性や効率も上がり、ひいては仕事で成功を収められるはずだ。以下に、今すぐ実行に移せる6つの方法を紹介しよう。

1. 進捗度を毎日評価する

自分が目標に向かって進んでいることがわかると、幸福度と満足度の自己評価が高くなることが心理学研究で明らかになっている。
「ToDoリスト」を作るのは、自分のやるべきことを把握し、そのすべてを確実に実行するのに優れた方法だ。1日が終わってみると、きまって、いくつかのタスクはリストの下位に追いやられていたり、リストにはなかった別の用事が片づいていたりもするが、1日の終わりに未消化のリストを見るのはやる気が失せるものだ。
そうならないために、毎日の習慣として、自分が目標に向けてどれだけ前進したかを振り返る時間を持とう。たとえほんの少しでも前進できたと考えるだけで、幸福感はぐっと高まる。

2. 楽しい時間を作る

将来への期待は、人間に喜びを与える。みなさんも覚えがあるだろうが、何か楽しみな予定があるというのは心躍るものだ。
毎朝目覚ましに起こされてベッドから出るのがつらいという人は、楽しく仕事をする能力が危うくなっている。そういう人は、毎日仕事で楽しみにできることを1つ作ろう。
決まった同僚に会うのでも、お昼に特別なおやつを食べるのでもいい。何であれ楽しみなことを持つというのは、それだけで仕事に対する幸福感を高めてくれる。

3. 困難なことに取り組む

デューク大学の研究で、人間は困難なプロジェクトに取り組むときほど、仕事への誇りを強く感じることが明らかになっている。
簡単な仕事はラクに片づくが、労力を費やして有意義なことを成し遂げたという気持ちは必ずしも得られない。簡単にこなせることは、簡単に忘れてしまうものだ。
これに対して、困難な仕事に取り組むときには、それを無事やりとげるためにより多くの努力をしなくてはならず、努力した分、より大きな価値をその仕事に感じる。結果として、仕事に対する幸福感が高まるわけだ。
みなさんも、自分がいま抱えているプロジェクトの中から特に難しいものをピックアップし、毎日それらに費やす時間、それらについて考えることを少しだけ増やしてみよう。

4. 同僚を手助けする

他人のために何かをするのは、幸福感を高めてくれる。最近の研究でも、同僚を手助けする人は、しない人に比べて、仕事における幸福度が高いことが明らかになっている。
人助けといっても、自分を犠牲にして英雄的行動をすることではなく、自分内部の心理的な報酬システムを喜ばせることだ。
もちろん、自分の仕事を犠牲にしたり、頼まれもしないのに他人の仕事を横から奪ってはいけない。困っている人を助ける機会がないか目を配り、さらには普段から、同僚が助けを必要としていたら手を差し伸べることを想定しておくといいだろう。

5. 栄養面に気を使う

栄養学の研究で、一部の栄養素は気分を改善し、幸福度を高める効果が高いことが明らかになっている。
たとえば、マッシュルームなどに多く含まれるセレンは、うつや不安感、疲労の発生率を減らす効果が期待できる。また、果物や野菜を食べると元気が出て幸福感が増す。ダークチョコレートはストレスホルモンを減らす作用がある。
デスクの引き出しやオフィスの冷蔵庫に、こうした自然の「精神安定剤」を入れておき、1日を通じて適度に摂取しよう。

6. 仕事を忘れる(一時的に)

われわれの脳は、個々の思考やタスクを明確に切り分けて考えることが、あまり得意ではないかもしれない。ときには仕事中に、仕事以外のことが気になってストレスや不幸感を募らせてしまうこともある。
仕事以外のことから目をそらすのではなく、仕事中でも、仕事と私生活の適度なバランスをとるようにしよう。
5分程度の短い休憩を(とれるタイミングで)とり、自分のToDoリストにある個人的な用件、つまり、病院の予約を入れたり、友人のテキストメッセージに返信したり、子どもの送り迎えの都合をつけるといったことを片づけるといい。
こうした個人的な事柄に対処することで安心感が得られ、よりハッピーな気分で仕事に向かうことができる。
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仕事というものは、その内容であれ、仕事で関係をもつ人たちであれ、個人の幸福感に大きな役割を果たす。しかしだからといって、仕事に自分の幸福感を左右される必要はない。
機嫌よく仕事をする方法を見つけて折り合いをつけられるようになれば、「自分の仕事が好きだ」とツイートする人たちの仲間入りを果たせる日も近いかもしれない。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Rohini Venkatraman/Business designer, Ideo、翻訳:高橋朋子/ガリレオ、写真:golubovy/iStock)
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This article was produced in conjuction with IBM.