[ロンドン 28日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した第1・四半期の英国内総生産(GDP)速報値は前期比0.3%増となり、2016年第4・四半期の0.7%増から伸びが鈍化した。伸び率は1年ぶり低水準となった。

ロイターのまとめたエコノミスト予想は0.4%増だった。

英国の欧州連合(EU)離脱決定を背景としたインフレ加速が小売業や消費者向け業界を圧迫した。

第1・四半期のGDPは前年比では2.1%増と、16年第4・四半期の1.9%増から加速した。2015年第2・四半期以来の高い伸びとなったものの、予想の2.2%増はやや下回った。

サービス部門の生産は前期比0.3%増で、2015年第1・四半期以来、2年ぶりの低水準。16年第4・四半期は0.8%増だった。

鉱工業生産は前期比0.3%増となり、16年第4・四半期の0.4%増から鈍化。建設は0.2%増。16年第4・四半期は1.0%増だった。

ONSは「小売業と宿泊サービスがサービスセクターを主に押し下げた」とし、こうした業界は物価上昇の影響を受けたと指摘した。

スコシアバンクのエコノミスト、アラン・クラーク氏は「景気減速は、EU離脱決定が原因だろう」と指摘。「年内に前期比0.2%増まで鈍化するとみている。インフレの影響が最も激しくなる時期と重なるだろう」と述べた。

英住宅金融会社ネーションワイドがこの日発表した4月の住宅価格は、前月比0.4%低下と、2カ月連続の低下となった。前年比では2.6%上昇と、約4年ぶりの低い伸びだった。

*内容を追加しました。