中国、車の外資規制緩和 合弁出資50%超可能に
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合弁会社では出資比率ではなく、合弁契約の内容が大事。出資比率が過半数になろうが、合弁契約における会社経営についての権限や規律が変更されなければあまり意味はない。連結決算というやや形式的なものから、会社意思決定構造、経営上のリスク分担といった実質的なものへ、外資規制緩和は段階的に行われるのだろう。合弁契約の締結、解約の政府認可が廃止されないと本当の自由化にはならない。
ところで、折半合弁では、支配株主も少数株主も存在せず、全ての意思決定は出資者間の合意に基づかざるを得ない。支配株主の専断もなく、支配株主による少数株主への圧制もない。会社ガバナンス構造上はある意味理想的とも言える。なぜなら、経営のデフォルトが合意=信頼だからである。
経営の意思決定におけるいくつかの問題(意思決定のスピード、意見が対立した時のデッドロック処理)さえ解決できれば優れた構造だと思う。
今回の緩和を歓迎する外国資本の会社は、合弁を解消し、独資を望んでいるのだろう。しかし、中国の特殊な政策環境を甘くみるのは危険だ。現地パートナーの支援がない外資の独資会社が「安全」とは思えない。いつまでたっても国産化率の低いコピー車しか作れない純国産ブランドに対する牽制か、あるいはさらなる(外国資本と言う)人質を取ろうとする政策か?
日本の会社が中国事業のビジネスを『どういうスパンで何を得るか』によりけりだが、出資比率が100%であったとしてもそれにより『政治リスク=経済政策リスク』が減ったわけではない。
既存の自動車メーカーはすでに良い目も痛い目も見てきたわけでありよくわかっており、もう腹も座っているのでは無いか。出資比率が50%になりパートナーとの関係に多少の変化はあるものの事業の機会とリスクに大きな変わりは無い。