[東京 25日 ロイター] - 日立製作所<6501.T>は25日、投資ファンド2社が出資する企業から空気圧縮機の製造・販売を手がける米サルエアー社を買収すると発表した。買収総額は12億4500万ドル(1357億円)。空気圧縮機は産業用で幅広い用途、業種で使用されており、北米での産業機器ビジネスを強化するとともに、サルエアー社の顧客向けにIT関連サービスの拡大も狙う。

サルエアー社は米国で約4000社に上る幅広い業種の顧客を持つ。25日夕、日立の青木優和副社長は記者会見し、「顧客基盤を活用してビジネスを大きくする」などと買収の目的を説明。同社が注力するIoT(モノのインターネット)サービス基盤「Lumada(ルマーダ)」の提案も狙うという。

青木氏は、「現場機器を納入してラインから顧客の課題を抽出、ルマーダを活用してデータ志向のソリューション展開につなげていくのが買収の考え方のベース」と強調した。

買収完了は今年度中に完了させる予定。日立も手掛ける空気圧縮機事業の両社合計の売上高は800億円程度で、20年ごろには売上高1000億円超を目指す。

サルエアー社の2016年度売上高は432億円(1ドル109円で換算)、17年度は458億円の見通し。16年度純損益は124億円の赤字だった。「買収後2、3年のうちに日立の平均値よりよい業績にできる」(青木氏)としている。買収に伴うのれんについては手続き完了時点までに詰めるという。

*内容を追加しました。

(浜田健太郎 編集:石田仁志)