[東京 24日 ロイター] - 東京電力の公募増資に関する情報を外部の顧客に漏らしたとして、野村証券を2012年に懲戒解雇された元社員(男性)が雇用の継続を求め起こした裁判で、勝訴が確定した。23日付。野村証券が最高裁判所に上告しなかったため。

東京高等裁判所(後藤博裁判長)は今月9日、この元社員が、増資に関する重要事実を「知ったことには相当しない」とし、野村による解雇は無効との判決を下していた。

一方、この元社員から情報を入手し、インサイダー取引をしたとして課徴金の納付命令を受けた元金融コンサルタントは、インサイダー取引を行っていないとして納付命令の取り消しを求め係争中。

東京地方裁判所は2016年9月、金融庁による課徴金納付命令を取り消す判決を出した。増資インサイダー問題で、課徴金の納付命令が司法の場で取り消されるのは初めてだった。現在、国は控訴している。

(江本恵美)