シンガポールで正式サービス開始

中国における自転車シェアリング戦争は、2017年に国境を超える。Mobike(摩拜単車)は2017年末までに、今の3倍である世界100都市に展開する計画だ。
2016年に正式な運用が始まって以来、Mobikeのオレンジ色の自転車は中国の歩道で必ず見かけるものとなった。
Mobikeは、テンセント・ホールディングス(騰訊控股有限公司)、ウォーバーグ・ピンカス(Warburg Pincus)、TPGキャピタル(TPG Capital)、テマセク・ホールディングス(Temasek Holdings)、フォックスコン・テクノロジー・グループ(鴻海科技集団 / 富士康科技集団)をはじめとする支援企業から、何億ドルもの資金を集めてきた。
Mobikeは3月21日から、中国以外では初めてとなるシンガポールで正式にサービスを開始。ライバルのOfo(共享単車)はすでにシンガポールに進出しており、米国と英国にも進出する予定と報道されている。
かつて中国の労働者階級の象徴だった自転車は今、世界の資本家が競い合う場となり、資本家たちはユーザーが30分単位で自転車をレンタルできるアプリに資金をつぎ込んでいる。
顧客にとってのメリットは、自転車を好きな場所に乗り捨てられるということだ。

中国の国内市場はすでに飽和状態

生まれたばかりのこの市場で、中国の大手数社はすでに海外に手を広げようとしている。国内市場は飽和状態に達してしまったからだ。
「われわれは今年、100都市以上に進出したいと考えている」とMobikeの共同設立者Hu Weiweiは語る。現在は中国国内に約30カ所の拠点があるという。
彼女によると、手を広げるのは国内が中心だが、今年はシンガポール以外にも国際的な都市にサービスを展開していくそうだ。ただし、目標とする都市の数はまだ決めていないという。
Mobikeは、シンガポールの安全規定に準拠するシンガポール仕様のモデルをつくった。そして過密状態を避けるために、街の中心から離れた場所に自転車を配備するという。
これは、中国で議論されている問題を解決する手がかりとなる。中国メディアの報道では、上海市は自転車シェアリング業者に対し、市の歩道に新たに自転車を置くことを禁じているというのだ。
ただし、Mobikeの広報担当者は、政府機関がこうした報道を否定したと話している。
(協力: David Ramli)
原文はこちら(英語)。
(執筆:Bloomberg News、翻訳:浅野美抄子/ガリレオ、写真:yanjf/iStock)
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