世界シェアはわずか1%、「SUBARU」社長はなぜ死ぬほど考えるのか
コメント
注目のコメント
海外のモーターショウで富士重工の社長が名刺交換をしたら、相手はその人物がSUBARUブランドの社長だと言うことを知らなかったという記事を、以前に読んだことがあります。
富士重工業からSUBARUへと社名を変えるのは、ブランド戦略の効率化という点から見れば必然とも思えますが、スバリストと呼ばれる人たちにとっては、少し残念な部分も残るのではないかと思っています。
ブランドの「物語性」が薄れるかもしれないからです。
メカ好きが多いと言われるスバリスト達にとっては、スバルが富士重工であることは(飛行機製造という)オリジンを語るうえで最も重要なポイントであり、車をただのメカとせずに感情移入できる物語が、その社名にはあるからです。
もちろん、そうした背景も承知の上での社名変更でしょう。
かつて自動車産業において「安全性」はVOLVOの代名詞でした。「アイサイト」によってそのポジションを獲得した今、社長が「死ぬほど考えた」結論は、「安全性=SUBARU」を新しいオリジンとして、ブランドを再強化するという世界戦略なのかもしません。分散、カスタマイズの方向に製造業がシフトしていく中、規模の持つ意味も変わっていきそうです。同時に売り切り型で所有を前提とする業界の利益構造も、シェアリング型の大波をかぶるので、狭いターゲット層に深く刺さるブランド、という生き方は理にかなってますよね。