世界人口爆発 省力農業で食料難克服を
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日本では、農業を語るとき、農業=食料生産という考えになっている。
加工、流通、小売、バリューチェーン全てを農業と捉えるべきだと考えています。
イタリアやフランスでは、農業は観光戦略や町づくりと密接に結びついており、宣伝戦略と結びついた生産の考え方が浸透している。
日本の食料自給率を上げるためには、農業戦略そのものを捉え直さないと、枝葉の議論で終わってしまいそうです。グランドデザインを描けば、自ずとテクノロジー活用も進むと思います。バーチャルウォーターの概念は非常に有名ですね。
省力農業を普及させるには、導入コストが問題になります。
個人的には、現在大手企業が取り組んでいる、農業向けの大規模で高コストなITシステムは、日本の多くの農家にとって参入障壁が非常に高く、日本の農業のスタイルには合っていないと感じていました。
IoTによる農業の省力化には、SONYのMESHのような、個人でプログラムを手軽に設計できるブロック状のシステム端末が打開策になると考えています。
http://meshprj.com/jp/tag/
MESHは現在一般向けに販売されており、動かせるモーターなどにも電力供給量などの関係で限りがありますが、これが農家をターゲットに仕様変更されれば、農業のIoT導入コストの価格破壊を起こせる可能性があります。
政府は農地中間管理機構の認知度や利用向上を積極的に進め、やる気のある農家に対する支援をより手厚くしなければ、日本の農業の行く先にある暗雲を払うことはできないでしょう。
また、しばしば、農家は補助金漬けだと言われますが、その補助金の多くはバラまきによるものです。農家が政府の要望に合わせて作付けを変えれば補助金が支払われるというタイプの補助金です。
実際には、「この機械が買いたいけど高すぎて手が出ない」というような場合、そういうことに使える、やる気のある農家が気軽に申請できる補助金は、ほぼ皆無と言って差し支えありません。
小規模経営が多い日本の農家にとって、一番申請のハードルが低い「小規模事業者持続化補助金」ですらも、あくまで商業者向けの補助金であり、その用途は、農家のニーズとは異なる「消費者にメリットがある事業を補助」というベクトルに限定されているので、これではいくら農業を省力化しよう、農家ではなく農業経営者になろうと叫んだところで、普及はしません。日本の農業は、頭の意識に反して、体はどんどん老朽化しています。本来の農家のニーズに合った補助金制度を設置するべきです。
補助金申請は、家族経営が多く、どんぶり勘定になりやすい農家にとって、経営者としての意識を持つ、いいきっかけになるのですが、このような状況では、農家にとって規模拡大へのリスクが大きすぎて、農業経営者への意識変革も難しいでしょう。