上場後も順調な滑り出しとなった写真・動画共有アプリ「スナップチャット」。順調に見えるメガベンチャーに死角はないのか。スナップが抱える課題について、New York Times のKatie Benner記者が、IPO目前の現地から報告した。
前編:本拠地ロサンゼルスに誕生するIPO長者たち

ベンチャー投資家との複雑な関係

消えるメッセージアプリ「スナップチャット」を生んだスナップが3月、新規に株式公開する。その際、最大の勝者となるベンチャーキャピタル(VC)の一つが、ライトスピード・ベンチャー・パートナーズだろう。
シリコンバレーを拠点とするライトスピードはスナップに投資した最初のVCだ。48万5000ドルの出資から今や、10億ドル以上のリターンを得ている。
だがこの巨額のリターンは、ライトスピードとスナップの複雑な関係を見えにくくしている。その関係性からうかがえるのは、往々にして不透明なVCの世界、スタートアップはどのように始まるのか、そして金をめぐる政治的な駆け引きだ。