[東京 31日 ロイター] - コマツ<6301.T>が31日に発表した2016年4─12月期の連結業績(米国基準)は、営業利益が前年同期比30.8%減の1070億円となった。売上高は同10.5%減の1兆2267億円。主力の建設機械・車両部門は中国などでの需要回復が顕著となった一方、円高が響いた。産業機械部門での収益減を背景に、通期業績予想は据え置いた。

17年3月期の営業利益は前年比28.1%減の1500億円の見通し。トムソン・ロイターがまとめたアナリスト18人の通期営業利益予想の平均値は1525億円で、会社計画はこれより保守的なものとなっている。想定為替レートも1ドル105円、1ユーロ119円、1人民元16.2円と、4月に公表した数値から変更はなかった。

昨年10─12月の主要7建機の世界需要は、前年同期比で1%増となった。鉱山機械の世界需要は同13%減だったが、想定通り推移しているとして、年間の需要見通しはいずれも据え置いた。中国の年間ベースでの建機需要も、前年並みとする10月時点の見通しを踏襲。「春節明けの需要動向を注視したいところだが、強含みになると考えている」(稲垣泰弘・常務執行役員)という。

4─12月期の建設機械・車両部門の地域別売上高は欧米、中国、CIS(独立国家共同体)、オセアニアにおいて、為替影響を除いたベースで増収となったが、為替変動がセグメント利益に対し200億円の減益要因となった。連結全体ではリテールファイナンス関連における中国での引当金追加計上や、産業機械関連での自動車向け鍛圧機械、工作機械の販売減が利益の押し下げ要因となった。

*内容を追加しました。

(長田善行)