テニス界になぜ錦織圭は現れたか。米国流「勝利」至上主義

2017/2/12
現在、日本のスポーツ界で傑出した才能を発揮している選手が、プロ野球の大谷翔平(日本ハム)とテニスの錦織圭だ。
大谷が育った環境についてはNewsPicksでも過去にとり上げてきたが、長らく世界ランキング100位に入るのも難しかった男子テニス界からなぜ錦織は生まれたのか。
「野球に学ぶ、超一流の育て方」と題した今特集の最終回では、あえて野球の外の世界に目を向けたい。そのほうが、学びが大きいと考えるからだ。
そこでプロピッカーであり、錦織を13歳から20歳になるころまで指導し、現在はマリア・シャラポワのトレーナーを務める中村豊氏に話を聞いた。もともと野球少年だった同氏がテニス、そしてアメリカの視点から語る言葉には、野球界、そして教育にとってさまざまなヒントが落ちている。

考える力がつけば、勝負強くなる

──中村さんは大学生のときに渡米し、当地で暮らして25年になるそうですね。日本とアメリカでは、スポーツを通じた教育でどんな違いがあると感じますか。