[メキシコ市/フィラデルフィア 26日 ロイター] - メキシコのペニャニエト大統領は26日、来週31日にホワイトハウスで予定していたトランプ米大統領との会談を中止すると明らかにした。

トランプ大統領が国境沿いの壁の建設費用を負担する用意がないなら、首脳会談は取り止めるべきと発言したことが背景にある。ペニャニエト大統領は首脳会談を通じて関係修復を模索していたが、両国の対立はさらに深まった。

これに先立ち、トランプ大統領はツイッターで、「米国はメキシコに対し600億ドルの貿易赤字を抱えている。北米自由貿易協定(NAFTA)は当初から一方的な取引で、多くの雇用や企業が失われた」とし、「必要性が高い壁の建設費用をメキシコが支払わない場合、近く予定されている(ペニャニエト大統領との)会談はキャンセルしたほうがいい」と述べていた。

トランプ大統領はその後、フィラデルフィアで開催の共和党会合で、会談中止は相互の合意の下で決定されたと説明した。

「これまで繰り返し言っているが、米国は壁の建設費用は払わない」とあらためて強調。「メキシコが米国に対し敬意を持って公正な対応を行わない限り、そうした会談は意味がない」とした。

メキシコはこれまで、壁の費用は負担しないとの立場を繰り返し表明している。

ペニャニエト大統領は会談中止を発表するにあたり、「メキシコと米国の双方に利益となる合意を目指し、ともに取り組む意欲があるとあらためて表明する」とした。

トランプ米大統領は25日、メキシコとの国境沿いに壁を建設する大統領令に署名した。署名は、メキシコのビデガライ外相が率いる訪問団が協議のためホワイトハウスに到着したタイミングで、メキシコ国民はこれに強く反発。ペニャニエト大統領に対し首脳会談を中止するよう圧力が高まっていた。

ホワイトハウスのスパイサー報道官は、米国はメキシコとの対話を維持しているとし、会談日程を再調整する方針を示した。

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