[ダボス(スイス) 17日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は17日、世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)で講演を行い、グローバル化や自由貿易の重要性を強調した。

保護主義は自ら暗い部屋に閉じこもるとともに、部屋から光や空気を奪うようなものだと指摘。他国を犠牲にして自国の利益を追求すべきではないと述べ、トランプ次期米大統領を名指しこそしなかったものの、同氏の言動を暗にけん制した。

習主席は「通商戦争を仕掛けても誰も勝者とはならない」とした上で、経済のグローバル化は多くの国々にとって「パンドラの箱」ではあるものの、世界的な諸問題の根源になっているわけではないと述べた。世界的な金融危機もグローバル化に原因があるのではなく、過剰な利益追求が引き起こしたものと分析した。

中国経済については「新常態(ニューノーマル)」に入ったが、経済のファンダメンタルズは変化していないと述べ、今や家計消費が経済の主なけん引役だとの認識を示した。

さらに、世界経済の停滞にもかかわらず、中国の2016年経済成長率は6.7%だったと見込んでいると述べた。

*内容を追加しました。