【岡村聡】2017年もドル高継続。米国株が最も魅力的

2016/12/26

2016年の振り返り

2017年の海外投資に関する動きを予測するというお題ですが、まずは2016年の予測の振り返りから始めたいと思います。
1年前のこのコラムでは、2012年~14年に堅調に上昇してきた米ドルと米国株が停滞した2015年を経て、2016年は再び米ドル高・米株高基調に戻ると予測しました。
この予測は概ね的中しました。
米ドルについては日本円に対して一時98円台となるまで円高・米ドル安が進みましたが、米国の大統領選挙後の急速な米ドル高・円安により、原稿執筆時点で118円前後と年始の水準と変わらないところまで戻ってきています。
米ドルの主要通貨に対する強さを測る指標として注目してほしいとしたインターコンチネンタル取引所のドル指数は、年始の99を下回るところから、103を超えるところまで上昇し、14年ぶりの高値となっています。
Brexitにより英ポンドが、ユーロ圏の金融機関の不安の高まりによりユーロが、米ドルに対して下落。ドル指数は歴史的な高値となっています。
特にユーロは米ドルとのパリティー割れ寸前まで下げていて、ドル指数と同じく米ドルはユーロに対して14年ぶりの高値をつけています。
一方の米国株式も、2016年初頭の中国の株式市場の混乱や6月のBrexitの影響で下げる局面もありましたが、トランプ当選後のラリーもあって、S&P500やダウ平均、ナスダック総合といった主要株式指数は、連日史上最高値を更新しています。
特に、トランプラリーの主役である金融や資本財、エネルギーといった伝統的な産業のウェイトが高いダウ平均は、2万ドルという歴史的な節目をうかがうところまで上がっています。
米ドル円の為替次第といった様相で、米ドル建てで見ると2015年前半の高値を(本稿執筆時点で)下回っている日経平均など日本株式の主要指数と比較しても、米国株式の主要指数の好調さは突出しています。