[北京 14日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が発表した11月の新規人民元建て融資は7946億元(1150億7000万ドル)で、予想の7200億元と10月の6513億元を上回った。

1─11月では11兆6000億元と過去最大の伸びとなった。

当局がバブル回避に向け住宅価格抑制策に乗り出しているが、住宅ローンが融資の伸びを主導している。住宅ローンが主体の中長期家計向け融資は5692億元の伸びとなり、融資全体の伸びに占める割合は71.2%となった。9月は66.5%だった。

11月のマネーサプライM2伸び率は前年比11.4%。予想は11.5%だった。

11月末時点の人民元建て融資残高は前年比13.1%増だった。予想は13%増。

11月の社会融資総量は1兆7400億元。前月は8963億元だった。

11月末時点の社会融資総量残高は13.3%増の154兆3600億元(22兆3500億ドル)だった。

エコノミストによると、季節要因もあって11月の融資は増加した。

企業融資の伸びは引き続き弱く1656億元の増加にとどまった。企業の信用需要が抑制されているため銀行は家計への選好を強めていると野村のエコノミストは指摘。「不動産市場の鈍化により融資の伸びは来年、下振れ圧力に直面する。企業の投資需要の根本的な改善はないと考えている」と述べた。

ANZのエコノミストによると、11月はオフバランスでの貸し出しが予想外に増加したことで、当局がシャドーバンキング規制に乗り出せば流動性がタイトになることが懸念される。

社会融資総量の伸びの半分はシャドー融資の増加によるもの。INGの首席アジアエコノミスト、ティム・コンドン氏は「保険会社への規制からみて、ここがシャドーバンキングへの当局の対応の最前線で、当局が勝利を収めつつある」と述べた。

社会融資総量にはオフバランス取引や信託会社への融資も含まれている。信託融資は11月に1625億元増加しおよそ2年ぶりの大きな伸びとなった。 銀行引受手形(undiscounted bankers' acceptances)は1月以来の大幅な伸びとなった。

*シャドーバンキングに関する部分を追加しました。