【求人掲載】元金融マンが「医療×IT」に転身を決めた理由

2016/11/30
日本の医師の8割が会員という国内最大級の医療専門サイト「m3.com」を中核に、医療関連企業への投資やコンサルティング、起業支援など多方面から「より良い医療の実現」を目指すエムスリー。2000年の設立からわずか7年で東証一部に上場、連結従業員は約4,700人規模に急成長している同社には、さまざまな業界から人材が集まり異能集団を形成している。金融もその1つ。畑違いのように思えるこの業界から、エムスリーには続々と人が集まる。金融業界で活躍しエムスリーに移籍した3人が集まり、金融業界を離れた理由、エムスリーを選んだわけ、今の仕事の醍醐味を語った。
きっかけは成長への飢え
――みなさんは新卒で金融業界に入り10年ほど経った後、他業界に移籍しました。安定的で社会的地位も高い金融業界を離れ、異業界に進んだ理由は何ですか。
矢島:金融業界に行けばさまざまな業種や企業を見られるのではないかと思い、新卒では証券会社に入社。6年間籍を置いて、投資銀行部門(IBD)でストラクチャードファイナンス、M&Aに従事しました。
希望していたM&Aの仕事に携わり充実もしていました。でも、時間が経つにつれて、アドバイザーという立場でお客様のビジネスを支援する仕事に少し違和感を覚えたのです。
データを集めて分析し、その結果と提案をPowerPointとExcelを使ってキレイにまとめる。そうすると、それが結果的に数億円のビジネスに変わる。ダイナミックな世界です。
でも、私は直接的に商品・サービスの企画にも開発にも、営業にもマーケティングにもサポートにも携わっていない。アドバイスするだけで自分は何もしていない。そう感じるようになったのです。
金融業は、私が想像していた通り、さまざまな業界や企業の経営に触れることができ、どの業界よりも濃密な時間を過ごすことができると思います。得られるスキルは豊富で、経験できることも多彩。金融業界に入って良かったと今でも本当に思います。
ただ、この先は自分で商品やサービスを作り、お客様にその価値を直接届ける仕事に就きたい。そう思って異業界への転職を決めました。
矢島祐介(やじま・ゆうすけ)
マーケティングイノベーショングループ クライアントパートナー
BIRカンパニー(ビジネスインテリジェンス&リサーチ)執行役員
早稲田大学理工学部卒業。大和証券エスエムビーシー(現、大和証券)にてIBD(ファイナンス・M&A)に従事。2013年にエムスリー入社。製薬会社向けのインターネットを活用したマーケティング変革プロジェクト、製薬会社の営業(MR)の生産性・効率の向上に関するプロジェクトを推進。また、BIRカンパニーにて、執行役員として経営にも参画
松岡:私は外資金融機関の日本法人で、M&A案件と資金調達案件を担当していました。
金融の世界には、決められたルールがたくさんあって、それに沿って仕事しなければならないことが結構多い。その方法はすごく合理的です。
ただ、金融の厳しい世界で数年の経験を積ませていただいた中、30代に入って、事業会社でもう少し私という個性を生かした成長の道を探したいと思ったのです。
また、将来的な成長産業という観点も考えた時に、今後も利益を出し、拡大する市場は医療とテクノロジーだと思っていました。
その時にエムスリーに出会いました。「より良い医療環境の実現」という目標に社会的意義を感じたこと、40兆円と言われるマーケットポテンシャル、そして社員一人ひとりが自由な発想でチャレンジできるカルチャーに魅了されました。
松岡高弘(まつおか・たかひろ)
事業戦略グループ ビジネスデベロップメント担当
マーケティングイノベーショングループ チームリーダー
京都大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻修士課程修了。米ゴールドマン・サックスの日本法人、投資銀行部門にて、多数のM&Aや資金調達プロジェクトを指揮。2014年にエムスリーに入社。製薬会社向けのインターネットを活用したマーケティング変革プロジェクト、製薬会社の営業担当者(MR)の生産性・向上などの課題解決に取り組む傍ら、M&Aやチームマネジメントにも従事
斎藤:私はエムスリーに入社するまでは、金融機関で6年間M&Aアドバイザリー業務に従事し、その後に外資系コンサルティングファームに勤務していました。
ファームの仕事は今でも大好きですが、矢島と同じで、自ら事業に興しそれを成長させることにチャレンジしたいと思い転職を決めました。
そこでエムスリーに挑みました。エムスリーの魅力は圧倒的なスピードです。まだまだ小さな会社ですが、設立から7年で東証一部に上場し、その勢いを今も保ちながら17年間成長を続けている。
上場企業としての信頼性を保ちながら、ベンチャーのような勢いもある。そこに私は惹かれました。
斎藤祐理(さいとう・ゆり)
事業戦略グループ ビジネスデベロップメント担当
マーケティングイノベーショングループ
東京大学経済学部、ペンシルバニア大学ウォートンスクール卒業。大和証券エスエムビーシー、GCAサヴィアンにてM&Aアドバイザリー業務に従事後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に移籍。2016年にエムスリー入社。製薬会社向けのインターネットを活用したマーケティング変革プロジェクト、製薬会社の営業(MR)の生産性・効率の向上に関するプロジェクトを推進。新ビジネスやサービスの企画立案にも携わる

金融の経験が生きる土壌
――医療業界はそれまでとは畑違いのステージ。慣れるまでには相当の苦労があったのではないですか。
矢島:エムスリーは「定量的な判断」を重視する会社です。つまり数値で判断する。金融業界と同じカルチャーです。
壮大なビジョンを描くのはベンチャーらしいですが、絵を描いたら細かくプランニングして最後までやり切る。しっかりとしたプロジェクトマネジメントが求められ、またそれができる人材がいることも金融業と同じですから、仕事の進め方で違和感を覚えることはありませんでした。
金融で得た、数字を読み解く力、プロジェクトマネジメント力は、組織・ビジネスを動かすという点で大いに役に立っていると思います。
実際にエムスリーにはメガバンクや内資証券会社などのリテール営業や法人営業から、ゴールドマン・サックス、JPモルガンといった外資系金融機関まで、20人強の幅広い金融出身者が集まっています。
以前実施した金融出身者向けのアンケートでは、エムスリーへの転職に満足していると感じている人が95.5%という結果が出ており、また、皆が感じているエムスリーへのフィットが高いと考える理由に類似点が多かったことも特徴的でした。
松岡:私も医療は初めてです。ただ、仕事を進めるプロセス、成功させるために必要なことはどの業界も同じだと思っています。
中でも金融業界はプロジェクトを完遂するためのストラテジー、ロジック、メソッドがしっかりしている。その経験はエムスリーでも活かすことができて、1日目から溶け込むことができました。
斎藤:私は正直に言って不安でした。エムスリーにはさまざまな業界から移籍したメンバーが揃う異種混在の集団。私と同じ金融系、コンサル系の人材もいますが、ほかの業界出身者も多いですから、多種多様なメンバーとうまくやっていけるかな、と。
ただ、入社して抱いたのはむしろ真逆の感情。さまざまな異能と交わることでそれまでになかった発想力を養えます。
医療の知識はなかったですが、もともと前職ではまったく知らない業界を担当することもあり、その都度勉強して乗り越えた経験がありましたから。知識は勉強すれば補えますので。
「根回し、社内政治」不要
――歴史のある伝統企業と若い企業の違いもあると思います。
松岡:大きな組織の中では「自分で判断している」感覚はほとんどなかったのですが、エムスリーでは意思決定までの階層がほぼなくて、企画したらツーストロークくらいで判断されます。
プロセスがシンプルなので、目標達成に向けて成か否かでみんな判断するから根回しも不要。とにかくフラットでシンプルな面は、この規模にしては珍しいかもしれません。
矢島:前職では“規制”が多く、その幅の中でしか動けないもどかしさがありました。エムスリーに転職してすぐは、逆に自由の幅が非常に広くて「こんなにやって、本当にいいの?」という戸惑いがあったくらい(笑)。
自分で考え自分で動く領域がとにかく広い。ビジネスの主役でいるってこういうことなんだなと実感しています。
斎藤:エムスリーは役員も個室でなく普通に大部屋でデスクに座っていてフラット。社内政治がなく、自由闊達に発言できる社風があります。だからこそ、自分から提案して、チャレンジできる機会が多いです。
――斜に構えてみると、良いところばかりで「本当?」と思えてしまいます。
矢島:本当ですよ(笑)。ただ、敷かれたレールがなく自分で決め行動する範囲が広いからこそ、その分、責任も大きい。
たくさん人がいて組織が大きい大企業よりも、個人の裁量に委ねられる部分が大きいですから、その大きな責任を全うしなければならないプレッシャーはあります。
医療に携わる喜び
――医療業界は、ほかの業種に比べて特殊な産業です。広義で言えば人の命にかかわる仕事。この分野で働くことの意義をどのように感じていますか。
矢島:エムスリーは医療にかかわる方々に、良質な医療情報をテクノロジーの力を活用して届け、最良の医療環境を築くことがミッションです。
患者を直接救うことはできませんが、バックで医療関係者をサポートできているという達成感を得られることは、医療業界で働くことの特徴だと思います。
松岡:矢島の言葉に添えるとしたら、日本の医療費は40兆円を超えマーケットとしても規模が大きい。少子高齢化が進む今後は、ますます重要度が増すでしょう。
そんな存在価値が大きい市場で、テクノロジーと医療情報を組み合わせたユニークなビジネスモデルを展開する醍醐味があります。
まだ誰もやったことない、前例のない事業をやっているので、差別化ができていることはもちろんですが、与えるインパクトも大きいと言えます。
斎藤:とても良い薬なのに、医師にその情報を届けられていないから使われていない。もしかしたら、それで救える人を救えていないかもしれません。そんな状況を変えることは大きな喜びです。
大切な情報を伝えなければならない人に伝えるというシンプルな活動かもしれませんが、医療業界においてはその重要度は増しますから、社会への貢献を自然と強く感じています。
――業容が進化し今も人材募集に積極的です。どんな人と共に働きたいですか。
松岡:野心的な人、ですね。今は大きな組織でおとなしくしているかもしれないけれど、それでは終わらないという野心家にエムスリーは合っている。ぜひ仲間になってともにチャレンジしたいと思います。
――みなさんも含めて著名な金融機関からの転職者が多く、門戸は狭そうな印象です。
矢島:いや、そんなことはありません。規模やキャリアに関係なく、幅広い金融機関から、さらに成長したいという思いを持った人が転職してきています。20代半ばから30代前半まで、営業をやっていた人や投資銀行業務に従事していた人など経験もさまざま。金融業界の就業経験は、エムスリーのフィールドで十分に生かせるスキルですから、ぜひ興味をを持ってもらえればと思います。
【イベント概要 金融出身者のための医療 × ITパネルディスカッション】

『金融出身者が活躍!医療×ITイノベーションを実現するエムスリーの舞台裏』と題した、エムスリー金融出身者によるパネルディスカッションを実施します。

■募集URL http://ptix.co/2gwRHs2
■日程 2017年1月12日(木) 19:30-21:00 (受付開始 19:00)
■場所 エムスリー株式会社(東京都港区赤坂1-11-44 赤坂インターシティ)
■費用 無料
(聞き手:木村剛士、文:阿部祐子、写真:風間仁一郎)