2つの大好物

週1回、デイビッド・F・スウェンセンはスタッフを招集し、午前中をかけて投資に関するアイデアを議論する。荘厳なゴシック建築が目を引くイェール大学のキャンパスで数十年間、行われている儀式だ。
現在62歳のスウェンセンは同大学のCIO(最高投資責任者)として、全米屈指の規模を誇る254億ドルのエンダウメント(大学基金)を管理している。
週1回のミーティングは、いわば大学基金運用の現場を学ぶインターンシップだ。
若いアナリスト──スウェンセンの弟子たち──が最前列に陣取る。ベテランのアナリストも出席して、「長年連れ添った夫婦が本気で口論しているかのようだった」と、80年代にスウェンセンに師事したアンドリュー・ゴールデンは語る。