[ロンドン 16日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は16日、12月に行われる可能性のある1回の利上げが、おそらく金融政策を中立にするのに十分だろうとの見解を示した。ロンドンでのUBSの会議で語った。

先週の米大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利して以降のドルや米国債利回りの上昇については昨年のレンジ内にとどまっているとの認識を示した。

「株式・ドル相場は調整したが、この1年のレンジ内にとどまっている」と述べた。

総裁は、トランプ氏勝利を受けた市場の反応は予想よりも落ち着いていると指摘。FRBとして、その後のインフレ期待の高まりを歓迎する姿勢を示した。

米大統領選でトランプ氏が勝利すれば、市場のボラティリティーが急激に高まると懸念されていたが、これまでのところ現実化していないと語った。

また、消費者物価の低い伸びへの懸念があったことを踏まえると、インフレ期待の高まりはFRBの観点からすれば良いことだと指摘した。

総裁はさらに、米国での生産性の伸び加速は通常は金利上昇につながるが、世界的な低金利時代が急に終了するとは見込まれないとの見方を示した。現在の米経済には異なる道筋をたどる多くの可能性があるとし、金融政策は状況が明らかになるにつれて調整すると述べた。

*内容を追加しました。