[ソウル 14日 ロイター] - 韓国のサムスン電子<005930.KS>は14日、米音響機器メーカーでコネクテッドカー(インターネットに接続できる車)技術を手掛ける米ハーマン・インターナショナル・インダストリーズ<HAR.N>を約80億ドルで買収することで合意したと発表した。カーエレクトロニクス市場での存在感拡大が狙い。

韓国企業による海外企業買収で過去最大の案件となる。

関係筋は、ロイターに対し「これほど大きなM&A(合併・買収)は初めてだ。だが李在鎔(イ・ジェヨン)副会長の下、サムスンが変化し、成長に向けた新たな手段に目を向けていることがうかがえる」と述べた。

サムスンはハーマンの株を1株当たり112ドルで買い取る。これは、ハーマンの11日終値に28%上乗せした水準。

買収は規制当局の承認が必要で、2017年半ばに完了する見通し。

HDCアセット・マネジメントのファンドマネジャーは「サムスンは潤沢な資金を活用して自動車技術の分野でライバルにリードしようとしているが、ハーマンがボッシュやコンチネンタルのような企業と競争できる企業に成長できるかどうかはまだ分からない」と指摘した。