[東京 14日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>など大手銀行グループの2017年3月期当期利益予想は、国内のマイナス金利政策や海外経済の減速の影響を受け、前年同期比減益基調となる。

4―9月期は為替が円高に振れたことから、海外収益の目減りによる影響も出ている。

三菱UFJの17年3月期当期利益予想は、期初予想通り前年同期比10.6%減の8500億円を据え置いた。同日発表した16年4―9月期業績について、平野信行社長は「世界的な低金利に加え、円高の影響で全部門で減益になった」と説明した。

4―9月期の連結業務粗利益は同6.6%減の1兆9694億円、業務純益は同11.5%減の7254億円となった。当期利益は同18.2%減の4905億円。当期利益の減益分のうち、600億円は円高要因という。マイナス金利政策の影響は、当初想定通り1000億円の減益要因になっているという。

みずほフィナンシャルグループ <8411.T>も通期予想を据え置き、当期利益予想を同10.5%減の6000億円とした。4―9月期の連結業務粗利益は、同3.7%減の1兆0896億円、業務純益は同9.7%減の4032億円、当期利益は同6.7%減の3581億円となった。マイナス金利の影響を通期で400億円と見込んでいるが、佐藤康博社長は、年金基金の運用や企業のハイブリッド債の調達など新しい需要に応えることで「マイナス金利の負の影響に対し、打ち返しができている」と説明した。

三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>は17年3月期当期利益見通しは、同8.2%増の7000億円と据え置いた。増益となるのは、前期に計上した消費者金融子会社の損失などがなくなるため。

4―9月期の連結業務粗利益は同6.2%減の1兆4174億円、業務純益は同11.1%減の5481億円、当期利益は同7.5%減の3591億円となった。

宮田孝一社長は「国内景気は回復しており、マイナス金利の深掘りは回避されたものの、ネガティブインパクトは継続する」と語った。

(布施太郎 編集:石田仁志)