[東京 31日 ロイター] - 三菱電機<6503.T>は31日、2017年3月期の利益予想を上方修正した。家庭電器部門で海外向け空調機器の採算が改善していることなどを反映させた。円高の影響もあり減益予想に変わりはないが、中国で回復が続くなど、足元に明るい兆候が出てきている。

営業利益予想は前年比17%減の2500億円(従来予想2350億円)に、税引前利益予想は同16.8%減の2650億円(同2550億円)に、最終利益予想は同19.0%減の1850億円(同1750億円)に、それぞれ引き上げた。この結果、会社の営業利益予想はトムソン・ロイターが調べたアナリスト18人の予測平均値2569億円にほぼ並んだ。

営業利益予想の上積み額150億円の内訳は、家電部門が80億円、情報通信システム部門が50億円など。

松山彰宏専務は会見で、家電部門について「空調は欧州、北米、アジアとほとんどのところで外貨ベースでは伸びている」と語った。

ただ、全体の売上高予想は円高の影響もあり、前年比5.6%減の4兆1500億円(従来予想4兆1800億円)に下方修正した。

前提為替レートは1ドル105円から100円に、1ユーロ115円から110円に、1人民元15.7円から15.0円に、それぞれ円高方向に見直した。円高は売上高で2650億円、営業利益で800億円の下押し要因となる。

4─9月期は売上高が前年比4.4%減の1兆9723億円、営業利益が同4.1%減の1217億円だった。産業メカトロニクス部門や電子デバイス部門が足を引っ張った。

<中国は安定成長へ>

4─9月期の中国事業は8%減収だったが、為替の影響を除くと、実質8%増収だった。FA(ファクトリーオートメーション)や自動車関連、パワー半導体、空調関連が数量ベースで伸びているという。

松山専務は中国について「かつてのような高度成長は期待できないが、いまのところ安定成長で伸びている。分野ごとに濃淡はあるが、総じて言うと安定成長に入った」との見方を示した。

*内容を追加します。

(志田義寧)