この連載について
リクルートと言えば、ドメスティックな会社とのイメージを持つ人がまだ多いだろう。だが、2016年3月期の海外売上比率は35%超。2012年3月期以降M&Aを加速し、その比率は5年で19倍になった。なかでも、リクルートが2012年に約1000億円で買収したアメリカの求人検索サービスindeedの躍進は凄まじい。売上は843億円(2016年3月期)で、前年比83.1 %成長を誇る。人材派遣領域も強い。USG peapleの買収によりリクルートは世界第4位の人材派遣会社になった。さらに、メディア領域でも買収案件が相次ぐ。果たしてリクルートは峰岸真澄社長が宣言したように「世界一」の企業になれるのか? リクルートが買収した海外企業を実際に取材することで、その可能性を探る。
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リクルートは世界企業になれるのか
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ndeedのような会社はそうそうありません。ところが、リクルートがIndeedを買収した2012年、同社はまだ売上も利益も「ほとんどない」ような企業でした。
それを見出した出木場CEOの慧眼もさることながら、取締役会でも反対にあったなか、ピシャリとある言葉を言ってのけた峰岸社長の迫力には舌を巻きました。
本日から始まります7日間連続の特集、お読み頂けましたら嬉しい限りです。
僕が一緒に弁当食べながら、あーでもないこーでもないと新規事業について話していたのが10年前
当時はじゃらんネットの開発のGMだった
今は、世界有数のIT企業のトップ
でも、話してる内容全然変わらない
滞在時間とか1訪問当たりPVとかその頃普通に話してた話で思わず笑ってしまった
本質は普遍であり、不変であるってことなのかもしれない
僕が面白いとおもったのは、下記3つのコメント
・僕はよく、「良いPMIとは、何ですか」と聞かれるのですが、その答えは単純で、「それは良い経営でしょ」と思うんです。
──Indeedが既存のリクルート事業を破壊してしまうインパクトについては?
・リクルートは、もともとカニバリゼーションを考えて何かをやめるような会社じゃありません(笑)。
・従業員の青春まっただ中の貴重な時間を、意味のないことに使わせたくない。
そのためには、われわれは何のために集まって議論しているかを、わかりやすく伝えないと意味がないじゃないですか。
①世界一になるにはお金がかかるといった出木場さんに対していいよとGoサインを出した峰岸社長
②英語以前に難しい日本語も自分たちは分かっておらず、簡単に言わないと分からない
③Googleが自動運転とかいっているこの時代に30年前とほとんど変わっていないマーケット。
特に②は自戒も込めて…
"──Indeedが既存のリクルート事業を破壊してしまうインパクトについては?
リクルートは、もともとカニバリゼーションを考えて何かをやめるような会社じゃありません(笑)。"
必要とあらば、グループ内で健全に競争させる。中にいる現場メンバーからすると、「敵が身内」だったりするのでたまったものではないですが、それが結果的に危機感を生み、危機感が既存事業の非連続なイノベーションや、全く新しい事業やマーケットを生み出すことにつながる。これがリクルートがリクルートたるゆえんだし、そういうマインドがなくなった段階でリクルートのDNAは死に絶えるなと思います。
「1分転職」ができないか?
面接は本当に人間じゃなきゃ出来ないのか?機械による面接の可能性はないか?
というムーンショット的な発想も最高です。
100年前、人類が宇宙に行くことを誰が想像したか?
既存の延長戦ではなく「実現された未来」から逆算して、必要とあらば容赦無く前提をぶっ壊しにいく。この繰り返しでしかイノベーションは生まれないのだなと。
ちなみに峰岸さんと出木場さんコンビに初めてお会いした時は「なんかわからんけどリクルートって面白いし凄いなー」と圧倒されたのを覚えてます。やっぱリクルートという会社は本当に面白いですね。
カニバリゼーションといいますが、ホンネは「それをやってる社内の人たちの雇用」が最優先ということです。リクルートの場合は、社内人材を外に出して味方にする仕組みがきちんとできている(伝統的日本企業の「天下り」じゃないやり方)こともその背景と思います。
(もしかして私の勤務先にとっては今がそのタイミングなのでしょうか。。。)
コメントしたい場所がたくさんあるけど一つだけ挙げるなら以下のホットペッパービューティの話。世の中を良くするために本当に必要だと思うことがあったらやること。「できない理由」を述べるのは簡単だけど、本当にやろうとするのはごく少数なんですよね。そして「やる」と決めたら、「徹底的にやること」「少々のことでは折れずにやり続ける執念」が大事だと思います。5年後、10年後それが当たり前になってることを信じて。
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僕は、2008年に「ホットペッパービューティ」の美容室予約事業を手がけました。その当時、「ホットペッパー」は売り上げが上がってるし、別にそんな大変なことをやらなくてもいいといった意見は結構ありました。
99.9%の予約が電話で来ているなか、なんでわざわざインターネットの管理画面でやらなきゃいけないんだ、と。
だけど、じゃあ30年後にお客さんが「今週の土曜日の6時に空いてますか?」と電話しているかというと、それはないだろう、と。だったら10年後はどうか、5年後はどうか。では、いつ始めるのがいいのか、と。
美容室予約に反対だった人たちは、シリコンバレーでもそんなサービスが上手くいっている例はないだとか、そもそも美容室は30%しかパソコンを持っていないとか、いろいろなデータを持ってきましたよ。
では、美容室がみなパソコンを持ってから、あるいはほかがそんなサービスをやり始めてから始めるべきなのか、と。