日本の医療は世界一か?-医療の国際数量比較:研究員の眼
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数量比較は難しいですね.
クオリティー,コスト,アクセス,リソースの指標も難しい.
表の数字はふるいですが,医療費対GDPの比較は介護費用が追加されたため,OECD諸国比で,日本はスイスと並んで現在第2位です.急に高くなったように見えますが,そもそも,日本の高齢者数が多いので,介護を含めてしまうと他国比では高く出てしまいます.
日本の看護師は約1/3はライセンスもっていても就業しておらず,この数に入っていないと思われます.
ベットの数は以前よりも減ってきていますが,今後の課題でしょう.
さらに,人口1000人あたりではなく,この病床数をその看護師数でみないとけないということもあります.
CTの数はあっても,何人撮影したか,稼働率は出ていません.
元ソースのニッセイ基礎研究所で,筆者が
’なお、医療の国際比較を行うにあたり、統計を用いて定量的に見るだけでは、不十分である。本来的には、統計とともに、医療を含めた、社会保障制度全般について、これまでの歴史・経緯や、今後の制度変更の見通し等を、あわせよむ必要があろう。’
と述べていますが,まさにその通りですし,都合の良いように解釈して使われている事が多いので,注意が必要です.グローバルなレベルでは、日本人が長寿であることは多くの人が認めていますが、「日本の医療が世界一」だと考えている人は極めて稀です。残念ながら日本でしかこの表現は聞いたことがありません。医療費はOECDで第3位、医療の質に関しては日本はデータ不足で評価不能、というのが現時点での客観的な評価だと思います。