[ニューヨーク 26日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対円で下落。日銀の黒田東彦総裁の講演・会見における発言で、円を大きく押し下げる措置は今後も打ち出されないとの見方が強まった。

黒田総裁は2%の物価目標達成に向けて利用可能なあらゆる手段を行使する姿勢を示す一方、当面は国債買い入れ規模が大幅に増減することはないと述べた。

こうした発言を受け、結果的に円高をもたらしている現在の日銀の緩和政策が維持されると市場は解釈した。日銀がマイナス金利導入を決定した1月以降、円はドルに対して17%強上昇している。

BMOキャピタル・マーケッツのFX戦略グローバル責任者グレッグ・アンダーソン氏は「黒田総裁が『量』の拡大が必要だとはっきり認めなかったため、円が値上がりした」と指摘した。

終盤のドル/円<JPY=>は0.7%安の100.29円だった。

米大統領選候補者の第1回討論会をめぐる不透明感が、ドル売りにつながった面もあった。

TJMブローカレッジの外国為替共同責任者リチャード・スカローン氏は「ほとんどの市場参加者は、討論会の結果を見極めて取引の手掛かりにしようとしている」と述べた。

ユーロ/ドル<EUR=>は一時1.1278ドルまで買われた後、直近は0.3%高の1.1252ドル。

格付け会社ムーディーズがトルコの格付けを投機的水準に引き下げたため、トルコリラは対ドルで下落した。

ドル/円 NY終値 100.32/100.35

始値 100.39

高値 100.55

安値 100.25

ユーロ/ドル NY終値 1.1253/1.1254

始値 1.1243

高値 1.1278

安値 1.1242