[ニューヨーク 8日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対円で上昇した。原油が大幅に値上がりしたことで米国の物価上昇圧力が高まり、米連邦準備理事会(FRB)の利上げにつながるとの見方が広がった。
ユーロは、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の発言で早期追加緩和観測が後退したため、一時約2週間ぶりの高値を付けた。
終盤のドル/円<JPY=>は0.75%高の102.54円。アジア時間には、日銀の中曽宏副総裁の講演で追加緩和に関する新たな手掛かりが得られなかった失望感から、101.42円まで下げる場面があった。
BMOキャピタル・マーケッツの外為戦略グローバル責任者グレッグ・アンダーソン氏は「相場がドル高に転じたのは、市場が『原油が高騰すれば物価上昇への意識が高まり、FRBが利上げする公算が大きくなる』とみなしたからだ」と述べた。
ドル/円は、ドルと主要通貨の取引のうち米金利と予想物価の影響を最も強く受けるとみられている。
フェデラルファンド(FF)先物が織り込む年内の利上げ確率は57%と、7日の47%から切り上がった。
ユーロ/ドル<EUR=>は朝方に8月26日以来の高値となる1.1326ドルまで買い進まれた。
ECBは8日の理事会で金融政策の現状維持を決定。ドラギ総裁はユーロ圏の成長率見通しを引き下げ、経済の下振れリスクに警戒感を表明したものの、現時点では行動を起こす必要がないとの考えを示した。
終盤は0.2%高の1.1260ドルと伸び悩んだ。
ドル/円 NY終値 102.48/102.51
始値 101.61
高値 102.59
安値 101.50
ユーロ/ドル NY終値 1.1258/1.1264
始値 1.1291
高値 1.1326
安値 1.1241
*内容を追加しました。