(Bloomberg) -- 無料通信アプリを運営するLINE(ライン)は先月の日米同時上場によって調達したの一部を合併・買収(M&A)資金として活用する方針だ。ラインをスマートフォン上のさまざまなサービスの入り口となるスマートポータルに発展させるのが狙い。

ラインの出沢剛社長が25日のインタビューで語った。買収対象となるのは、ユーザーと自動対話する人工知能のチャットボットや広告、ビデオストリーミング、拡張現実ゲームなどの分野という。

このため同社は買収の対象となる企業を世界中から検討するチームを設置した。無料通信アプリのラインをプラットホームとして、そこで提供しているチャットやスタンプ、ゲームなどに加え、食品配達、転職支援、旅行予約といった商業サービスを付加してスマートポータル化していくことを目指している。

出沢社長は買収対象となる企業について規模や地域についてはこだわらないとし、大切なことはそれらがきちんとフィットすることだと話した。また、買収に伴ってもたらされる事業と人材が共に重要だと述べた。

ラインのようなメッセージサービスではさまざまな機能が提供されるようになり、世界的に見てもモバイルのポータル的役割を持つようになってきた。フェイスブックのメッセンジャーも単なる通信サービスにとどまらず、3-7年後には「バーチャルエージェント」的な存在になっているだろうと米調査会社、フォレスター・リサーチのジュリー・アスク氏はみている。

また、出沢社長は日本のほか台湾、タイ、インドネシアの4カ国が同社にとっての重要市場だとしているが、インドネシアではラインはブラックベリーのアプリの後塵(こうじん)を拝しており、首位奪取を目指している。

原題:Line Hunts for Acquisitions Armed With $1.3 Billion War Chest(抜粋)

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