[東京 23日 ロイター] - スポーツのライブストリーミングサービス「DAZN(ダ・ゾーン)」は23日、日本でサービスを開始したと発表した。サッカーや野球、ラグビー、モータースポーツなど130以上のコンテンツをテレビやスマートフォンなどで視聴できる。

スポーツ中継をめぐっては、ソフトバンクも「スポナビライブ」をヤフー<4689.T>と共同運営しており、会員の獲得合戦が激しくなりそうだ。

ダ・ゾーンは月額1750円(税抜)。サッカーのJリーグやドイツのブンデスリーガ、国内プロ野球の一部や米大リーグ(MLB)、バスケットボール(NBA)、アメリカンフットボール(NFL)、モータースポーツ(F1)など年間6000以上の試合が見放題となる。

ダ・ゾーンを展開する英パフォームグループは先月、Jリーグの放映権を約2100億円で取得した。

迎え撃つソフトバンクは同日、スポナビライブのデータ通信料が無料となるキャンペーンを実施すると発表した。ソフトバンクユーザーが対象で、期間は今月26日から11月30日まで。スポナビライブは月額3000円(税抜)でプロ野球や大相撲、なでしこリーグ(女子サッカー)など8ジャンルのスポーツが見放題となる。ソフトバンクユーザーは同500円(税抜)で視聴できる。

パフォーム・インベストメント・ジャパンのジェームズ・ラシュトン最高経営責任者(CEO)は会見で、ソフトバンクとの競合について「われわれのサービスは料金がかなり安いので、単に他社と競争するだけでなく、新しい需要を掘り起こす」と先行きに自信を示した。

<ネットワークの中立性>

ソフトバンクはスポナビライブのデータ通信料を無料とすることで対抗心をあらわにしたが、自社コンテンツのデータ通信料を無料とすることは「ネットワークの中立性」という問題もはらんでおり、議論を呼びそうだ。

消費者にとっては魅力的なサービスに映るが、「通信無料」から外れた事業者は同じ土俵で戦えなくなり、長い目で見れば事業者の寡占化につながり、消費者が不利益を受けかねないといった問題がある。

仮想移動体通信事業者(MVNO)が加入者を増やすために大ヒットとなったスマホ向けゲーム「ポケモンGO」や「LINE」など一部SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のデータ通信料を無料にするケースはあるが、大手事業者で無料に踏み切るのは初めてとみられる。

(志田義寧)