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2016/5/18
日本の宇宙産業はこれまで、国の主導のもと研究開発が行われ、民間企業が官需を受注する形で発展してきた。
一口に宇宙分野の研究開発といっても、純粋な科学的研究から安全保障、産業振興まで目的は多岐にわたる。そこで従来は文部科学省の宇宙科学研究所(ISAS)、独立行政法人航空宇宙技術研究所(NAL)、特殊法人宇宙開発事業団(NASDA)と、日本には航空宇宙の3機関が存在し、別個に活動していた。
しかし国際競争力を高めるため、各組織の連携強化が必要とされるようになったことから、2003年に3機関が統一され、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発足した。
一方民間においては、たとえばH-IIAロケットでは三菱重工業がシステムを取りまとめ、川崎重工業、NECなどが各コンポーネントを担当した。
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コメント
注目のコメント
三菱グループは「国」を背負ってビジネスを行っている。そう実感させられるインタビューでした。衛星の国際競争力に関する説明も、大変明快なものでした。一方のJAXAも、「日本はどこで勝負すべきか」という点について、着眼点が興味深いです。
いくら新しい宇宙ビジネスが出てきても、国を中心とした宇宙開発の役割がなくなるわけではないと考えています。いままでは国がすべてやっていたが、分業が起こり、基盤になるインフラは政府で、アプリケーション側は民間でということになってくるだろう。自動車産業でいえば、道路や交通ルールは国が整備しているが、そのインフラを活用して自動車会社が事業をしているように。宇宙産業でいえば、宇宙港や通信などは政府が積極的に整備し、宇宙で動くロボットなどは民間が事業を通して行うといったようになるのではないか。
米国ではNASAも大企業もベンチャーの技術をうまく取り込んでいこうとしている。NASAのエンジニアも社内で開発するよりシリコンバレーなど外部のほうが技術開発の進捗が早く、そちらの技術をウォッチしており、うまく取り込もうとしているとも発言している。ULA(ボーイングとロッキードマーチンの合弁のロケット会社)もブルーオリジンが開発するエンジンを使う予定でいる。
米国のVCの話によると、まだしばらくは垂直統合の企業が強いかもしれないが、いずれ水平分業が行われていくと話している。
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