【新】メジャーリーガーを生み出す韓国野球超エリート主義
2016/05/11, NewsPicks編集部
韓国野球超エリート主義1回
【新】メジャーリーガーを生み出す韓国野球超エリート主義
2016/5/11
これまで日本と数多くの激戦を繰り広げながらも、格下と見られ続けてきた韓国野球。しかし、近年ではチーム、個人ともに日本を凌駕しつつある。
昨年11月に初開催された国際大会・世界野球プレミア12で初代王者に輝いたのは、優勝を目標に掲げて挑んだ野球日本代表=侍ジャパンではなく、準決勝で日本、決勝でアメリカを破った韓国だった。
その韓国代表チームをけん引したキム・ヒョンス、イ・デホ、パク・ピョンホのクリーンアップトリオは今年、そろって活躍の場をメジャーリーグに移した。
元ソフトバンクのイ・デホは4本塁打、韓国で2015年まで4年連続2冠王(本塁打、打点)の実績をひっさげて渡米したパク・ピョンホは7本塁打と、その打棒を発揮している(今季の記録は現地時間5月9日時点、以下同)。
また、昨季まで阪神でプレーしたオ・スンファンは2年総額、最大1100万ドル(約11億8800万円)でカージナルスと契約を結び、セットアッパーとして16試合で防御率1.65の好成績だ。
このように韓国の一流選手たちは今、世界のトッププレーヤーの仲間入りをしようとしているのである。
一体、彼らの飛躍の背景には何があるのか。そこで韓国の野球環境を底辺から探ってみると、日本とは異なる教育環境や韓国社会と共通する問題点が見えてきた。
過去10年で観客数が倍増
韓国において、野球は国民に最も人気があるプロスポーツだ。
特に、2008年の北京オリンピックで韓国代表が金メダルを獲得したことを契機に、観客数が増加。翌年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で準優勝して以降、若者を中心に安定した人気を誇っている。
2015年韓国プロ野球の観客総動員数は約736万人(1試合平均1万223人)。
近年、球団数が8から10に増えたことも後押しになって、この10年間で観客数は倍以上に増えている。
野球をプレーするのはごく一部
しかし、韓国人は野球に高い関心を示す一方、プレー経験者の少なさが特徴として挙げられる。
その理由について、野球ファンの会社員パク・チンスさん(42)は中学、高校時代を振り返り、こう話した。
「正規の授業のあとに8時間目、9時間目と補習があったので、日本のような部活動はありませんでした。中高時代にスポーツをやる機会はなかったです」
韓国では野球のみならず、学校で部活動を行う人自体が一握りだ。
スポーツの場合、その種目のトップクラスを目指すべく、専門的に取り組む人だけが部活動を行っている。勉学に重きを置く、学歴偏重主義の弊害ともいえるだろう。
newspicks.com
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コメント
注目のコメント
今回、韓国で野球に関わる小学生やその父兄、中高生、プロ選手らを取材しました。
「韓国の野球はエリート主義である」という認識からスタートしましたが、ある世代まではそうとも限らないそうです。私自身、初めて知ったことが数多くありました。5回連載の1回目です。先日、仲の良いプロ野球選手に息子さんも野球でプロを目指すのか聞いたら、センスがあればと即答された。そもそもプロに行けるセンスは1,000人に1人しかないから同学年で約100人。そこから先は努力で決まるよう。もちろん、プロ目指すだけが目標でないけど、韓国のアプローチも理にかなっていそう。
とても面白いデータですね。
中高の選手数を見ると、韓国は日本の1/6程度。
それでもプレミア12等では結果を出している。
どんな環境がそこにあるのか、次回が楽しみです。