ハーバード大・伝説の学長ヘンリー・ロソフスキーに聞く 名門大の秘密とアジアの大学の未来
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「私もまだアジア諸国がどのようにすれば、単純な西欧モデルの模倣にとどまらない独自の人文学の伝統を作れるのかという疑問に対する具体的な答えを持っていません。この疑問はあまりにも重要なものであり、従ってその答えは、アジアの大学自身から出なければなりません。」・・・正にその通りですね。単に米英の追随をするのであれば、日本の大学の人文学部は必要なくなってしまいます。
非常に示唆に冨む記事。言語の問題にも関心を引いたが、記事中にある、「私が教授、学者、行政家としての経験をもとに、教員の質が大学の質を決定するという確信を持つようになったからです。その他の部分は、すべて教授の質から来ています。教授陣が素晴らしければ良い学生を呼び寄せ、卒業生は、大学のための資金を集めるでしょう。」に、ほぼ同意する。少なくとも教員の教育や研究に対するやる気は学生に敏感に伝播することを肌で感じている日々である。
教授の質を保つためのハーバードのアップオアアウトという仕組みは、業界内では有名だ。この仕組みのために、ハーバードからのオファーを辞退するポスドクもいるほどだ。だが、教授に研究教育に一定の緊張感を持たせるためには、これらの仕組みを日本の大学も多いに参考にてして良いのではないか。ちなみに、韓国の大学には、ハーバードほど厳しい条件ではないが、アップオアアウトの仕組みはある。「私もまだアジア諸国がどのようにすれば、単純な西欧モデルの模倣にとどまらない独自の人文学の伝統を作れるのかという疑問に対する具体的な答えを持っていません。この疑問はあまりにも重要なものであり、従ってその答えは、アジアの大学自身から出なければなりません。」
上記は非常に重要な指摘だと思います。アジアの人文学が”単純な西欧モデルの模倣”にとどまってしまうようではその学問の存在価値そのものが揺らぐものと言わざるをえないでしょう。結局試行錯誤しつつアジア独自のモデルを築いていくしかないということですね。もちろん簡単な話ではないですし、長い時間を要するものとなるでしょうけれど。