エンタープライズ向けのITソリューションを提供する日本ヒューレット・パッカード(日本HP)。2015年に分社化し、現在、約4500名の社員が、ハードウェアやネットワーク機器、セキュリティ、クラウドなどフルポートフォリオで、日本全国にソリューションを展開しています。その成長を支える裏側には、グローバル全体で強化している“特殊チーム”と、多様なキャリアパスが存在します。

特殊チームの経験で得た最良のキャリア

2013年に立ち上がった“特殊チーム”。ちょうどそのタイミングで入社し、チームの立ち上げを行った中島雄哉も、そのうちの1人でした。
当初、中島が希望していた職種は、外勤営業(=アカウントマネージャー)。もともとは中小企業診断士であり、コンサルタント業などを行っていた彼の入社動機は、IT分野に魅力を感じていたことと、“チームの立ち上げ”に興味があったこと。その経験を積んだあとは、アカウントマネージャーを希望する予定だったそうです。
しかし2016年3月現在、中島は財務経理の部門で、営業を支える仕事を自身のキャリアとして選択しています。一見真逆にも見えるその選択の裏側には、“特殊チーム”での経験が関係しています。
「財務経理の観点から、会社に貢献していく方が良いと思ったんです。現在は、インサイドセールスの経験を活かして、経営に近い部分から数字を見て仕事していますね」(中島)
その“特殊チーム”とは、インサイドセールス(ISR)チーム。当社のISRは、企業発展を遂げるうえで欠かせない成長ドライバーであり、グローバル全体が組織作りを強化しているプロフェッショナル集団です。

ISRの経験で気づいた「あったらいいな」

当社ISRの特徴は、社内で多様なチームと一緒に仕事を進めることで、幅広い知見を得ることができること。「いずれは経営を勉強したい」という思いがあった中島は、ISRとして結果を残したことで、これまでと全く異なる分野にチャレンジしたいと感じたそうです。
日本HPの顧客は、業界をリードする企業ばかり。その企業と接していかなければいけない状況で、いかに効率よくソリューションを説明・提供できるか。ISRだった中島は、そこにはロジカルな思考が必要であり、大きな学びがあったといいます。これは、アプローチ方法の中心が電話とメールだからこそ感じられたことかもしれません。
そこで中島は、顧客へのメール配信システム「SRE(Sales Rep Emailer)」を立ち上げます。社内の関係部門を巻き込んで、数ヶ月掛かりで立ち上げた大きなプロジェクトです。
結果として、ISRチームの効率化に繋がり、これをきっかけに多くのビジネスも生まれました。この成功体験がきっかけとなって、中島は、直接営業以外のアプローチで売上に貢献する仕事に興味を持ち、営業以外のキャリアについても意識したそうです。
「『こういうシステムがあったらいいな』というものを提供する側に回りたい。そのとき、経営的なポジションを経験したいという考えに合致したのが、経理アナリストでした。数字は、如実にビジネスの状態を伝えてくれます。そのシグナルをいち早くフィードバックして、営業のサポートをしていくことが私の使命。もちろんビジネスのトレンドや営業感覚も、数字を予測していく大切な要素です。これらもISRでの経験がとても活かされていますね」(中島)

受け継がれてきた企業理念

その他にも、社内では実に多様なキャリアパスが実現しています。
中島とは異なり、入社当初の希望を叶えてISRからアカウントマネージャーになった社員もいれば、逆にエンジニアからISRへ社内異動した女性社員もいます。他にも、セールスから人事、エンジニアから環境推進(CSR)、エンジニアからマーケティングなど、キャリアパスにおける制限はありません。日本HPでは、年間を通じて、とても活発な“社内転職”が行われています。
このようなキャリアパスが実現している背景には、当社の企業理念が大きく影響しています。それは分社化される前から、米国本社でも大切にされ、受け継がれてきた「自分のキャリアは自分で作る」という理念。もちろん今でも、自主性を重んじる風土が根付いています。
その象徴としてあるのが「社内公募制度」です。これは誰でも、原則2年にわたり同じ部署で経験を積めば、社内他部署へ異動する権利が与えられるキャリアパス。グローバルを含め、年間300ポジション採用していますが、その30〜40%は社内公募制度による異動で決定しています。
優秀な人材がいれば、部署としてはその人を放したくないと考えるでしょう。しかし当社のマネージャーは、異動を阻止することはありません。どれだけその人材が優秀であっても、本人の意思をサポートする。それを可能にしているのが、創業時から大切にしている、私たちの理念です。

成長ドライバーは、「インサイドセールス」

皆さんは、「インサイドセールス(ISR)」という言葉を聞いて、どんな役割を思い浮かべますか?
もしかすると、営業アシスタントのような位置づけでイメージする方が多いかもしれません。しかし私たち、日本HPにとってのISRは、企業発展を遂げるうえで欠かせない成長ドライバーです。
その理由は2つ。ひとつめは、外勤の営業(=アカウントマネージャー)だけでは、1件の受注に対して、必要以上の時間を要してしまうことがあるため。ISRなら、より効率的に顧客にリーチすることができ、受注へとつなげていくことが可能です。
そしてもうひとつは、大手顧客が多くを占める中において、細かなグループ会社等までにソリューションを提供するためには、ISRによるアプローチが必要なため。こうした背景が国内にも顕著であり、日本HPでも2013年に新たなチームとして立ち上げています。
当社のISRは、主に電話やメールによって顧客のニーズを聞き出し、課題を解決するためのソリューションを提案する。いわば、コンサルティング営業のようなイメージの仕事です。しかし当然のことながら、どのようなポジションであっても、仕事は1人では行えません。
現在、当社には約25名のISRのプロフェッショナルが在籍し、かなり密な情報共有をしています。具体的には、システムによって通話記録や商談内容をすべてアップデート。データやナレッジ蓄積することにより、例えば他の担当者が電話した相手でも、「以前に○○の話をしている」といった情報がすぐに分かる体制です。だから他部署との連携も多く、仕事の視野が広がります。
その点でISRは、社内外の双方とやり取りを行い、当社で活躍を遂げるための“下地”をつくることができる職種。だからこそ、ISRから経理アナリストに“社内転職”した中島のように、自分が目指すべきキャリアが、仕事を通じてより明確に見えてくるのです。
(Text by PR Table)