【電通駐在員が寄稿】大学生よ「内定王」を目指すより、留学せよ

2016/3/25
日本のアニメの北米展開や日本発の原作を活用した海外テレビ番組の企画開発に取り組む電通エンタテインメントUSAプレジデントの木野下有市氏。氏は、三菱商事を経て電通に転じた、かつての「内定王」的存在だ。
その木野下氏が、本特集「東大・早慶の就活」を読み、言いたいことがあるとして緊急寄稿してくれた。いわく、大学時代は就活よりも留学に精を出せ……と。その心とは?
電通で大手飲料・製薬メーカー担当営業、コンテンツ部門海外事業担当を経て現職。欧米企業との共同出資によるアニメーション製作や、中国大手メディア企業とのバラエティ番組共同製作に携わる。渡米後は日本アニメーションの北米展開に加え、現在は日本原作を活用したテレビ番組の企画開発に取り組んでいる。慶應義塾大学総合政策学部卒、AFI(アメリカ映画協会)付属大学院にて修士号取得(プロデュース専攻)。

1年でため込んだ英語力の効用

筆者は現在ロサンゼルスに出向している、いわゆる駐在員です。おかげさまで、所属先はNewsPicksで人気企業・評判の悪い企業双方で第4位にランクインし、そんなこともあってか就職活動中の留学生からしばしば連絡をいただきます。わざわざ遠くアリゾナ州から会いに来てくれた学生さんもいらっしゃいました。
留学生たちは極めて優秀です。先日も母校(慶應義塾大学)から1年間勉強に来ている交換留学生10人程度とお会いする機会がありましたが、知的かつ感じのよい学生さんばかり。事実、すでにボストンキャリアフォーラムという留学生用の就職セミナーで大手企業から複数の内定をもらっているような学生さんもいます。
遠い異国で一人暮らしをすることで身につく根性や、異文化との接触、はたまた面接時のネタとなるような面白いエピソードなど、留学のメリットは多々あるでしょう。しかし、その中でも就職してから5~10年後に差が出る最大の定量的メリット、それは「英語力」です。
「将来は海外で働いてみたい」「グローバルな事業に携わりたい」という希望を持っているハイエンド学生は多いと思います。MBA留学を考えている方もいらっしゃることでしょう。
入社時は横並びに見える内定者の中でも、実は大学時代の留学経験有無、そして1年間でため込んだ「英語力」がその後何十倍にもなって、大きなインパクトを及ぼすのです。