(Bloomberg) -- 人工知能(AI)やロボット工学、ホームオートメーション、宇宙開発の分野の英知を結集するため、米アマゾン・ドット・コム主催の会議が今週、カリフォルニア州パームスプリングスのリゾート施設で開かれた。招待者限定の同会議にはロボット工学に携わる企業や学術研究機関の関係者が集まった。

このイベントでは、人気SF映画「スター・ウォーズ」のライトセーバーで決闘するロボットアームが披露されたほか、人間の価値観を機械に植え付けることに関するセミナーなども行われ、俳優・映画監督のロン・ハワード氏も会場に現れた。招待客と交流するアマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)の姿もあったという。

事情に詳しい複数の関係者によると、「機械学習による(ホーム)オートメーション、ロボット工学、宇宙開発」の略であるMARSと銘打たれた会議には、リシンク・ロボティクスやトヨタ自動車などの企業の関係者が参加。学術研究機関からはマサチューセッツ工科大学(MIT)やカリフォルニア大学バークレー校、スイス連邦工科大学チューリヒ校などの研究者が出席した。

このイベントにより、アマゾンの事業やベゾス氏個人の宇宙開発の野心と関連のあるさまざまな分野の専門家が結集した。世界最大のオンライン小売会社であるアマゾンの配送施設では、同社による効率化への多額の投資を反映してロボット「キバ」数万台が稼働している。同社の売れ筋商品の一つである音声認識端末「エコー」は、音声制御機能を備えた人工知能のプラットホームにより、照明の調整からピザの注文、請求書の支払いなどのタスクをこなせる。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると500億ドル(約5兆6200億円)の資産を持つベゾス氏は、自身が所有する会社ブルー・オリジンを通じて商業利用の宇宙開発に投資している。

原題:Amazon Hosts Exclusive Robotics Conference in Palm Springs(抜粋)

出澤由利 yidesawa1@bloomberg.net, 渡辺漢太 kwatanabe22@bloomberg.net, 角田正美 mkakuta@bloomberg.net, Jack Clark jclark185@bloomberg.net, Spencer Soper ssoper@bloomberg.net, Jillian Ward jward56@bloomberg.net, Andrew Pollack, Reed Stevenson

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