[東京 18日 ロイター] - オリックス<8591.T>が、米国内でプライベート・エクイティ(PE)ファンド事業に参入する。手元資金を活用するほか、グループ以外の投資家の資金も集めてファンド事業を展開し、手数料収入の拡大を目指す。関係筋がロイターに述べた。

関係筋によると、オリックスは1年で数件の投資を行い、今後3─5年でエクイティベースの投資実績を10億ドル(1000億円超)積み上げる意向。投資先として有望なセクターはサービス業などとみられる。

今後手掛ける投資の1件当たりの投資規模は、企業価値(株式と債務の合算)ベースで約200億─300億円のミドルマーケットを想定。米国ではこれら中規模の案件数が日本に比べて多く、ビジネスチャンスが豊富とみている。

第1号案件として、道路・鉄道など交通インフラのメンテナンス会社、ロードセーフ・トラフィックシステムズ(米イリノイ州)への投資を決めた。

オリックスは、手数料収入源を多様化するためアセットマネジメント業務を拡大してきており、2013年にはオランダの資産運用会社、ロベコを買収した。

今回の米PEファンド参入でオリックスは、グループの米アセットマネジメント子会社、マリナー・インベストメントの傘下にPE投資運用会社、IXキャピタル・パートナーズ(本社ニューヨーク)を設立し、体制を整えた。

オリックスの広報担当者は、PE投資運用の会社を設立した事実は認めたが、詳しい説明は差し控えるとした。

IXキャピタルの社長兼CEOには、元サーベラス・ジャパン社長の鈴木喜輝氏を起用した。鈴木氏はかつて約8年間オリックスに在籍し、航空機リース事業や海外の不動産開発を担当。約23年ぶりの古巣復帰になる。このほかコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)<KKR.N>からも幹部社員を迎え入れた。

オリックスにとって手数料収入の強化は業績拡大の鍵を握る。昨年末には関西国際空港と大阪国際(伊丹)空港を、仏空港運営会社ヴァンシ・エアポート<SGEF.PA>と共同で運営することで合意。国内空港の民営化事業について今後の関与にも前向きな姿勢を示すなど、投資機会を模索している。

*内容を追加しました。

(江本恵美)