15年度業績、売上高5114億円――ファイザー日本法人
2016/03/18, 薬事ニュース
ファイザーは3月2日、日本法人の2015年度(2014年12月1日~2015年11月30日)の業績を発表し、売上高5114億円、前年同期比2%の増収だったことを明らかにした。
梅田一郎社長=写真=は同日の記者会見で15年度業績を総括。主力品である疼痛治療剤「リリカ」、過活動膀胱治療剤「トビエース」、細菌ワクチン類「プレベナー13(成人)」、抗悪性腫瘍剤「スーテント」、深在性真菌症治療剤「ブイフェンド」などが伸長したほか、男性型脱毛症用薬「フィナステリド」を含むファイザーブランド後発医薬品が「堅調に推移した」ことを説明した。また、15年度においては、新規有効成分である慢性骨髄性白血病治療薬「ボシュリフ」の発売、抗うつ薬「イフェクサーSR」の承認を取得したほか、新効能・新剤形・新用量の追加が8品目だったことに言及。さらに、後発医薬品の発売が28品目、トータルで約500品目となったことを明らかにした。
16年度の取り組みについては、適応追加を含め4品目以上の承認を目指すほか、日本のアカデミアやバイオベンチャー、製薬会社との提携並びに後発医薬品ビジネスの加速、地域包括ケアシステムに向けた取り組みの強化などを掲げた。特に地域包括ケアに関しては、専任部署が中心となり地方行政との連携を推進。さらに、地域包括ケアに伴う環境変化を成長機会と捉え、2020年に向けた新たな顧客アプローチと必要な組織を構築するプロジェクトを立ち上げ、経営陣をはじめ、各ビジネスユニット、部門など全社的に議論を進めるとともに、専任部署を新設し、全国の情報を収集・分析中であるとした。
梅田社長、医療費問題は「ビジョンが不足している」
会見では、梅田社長が日本の薬価・医療制度に対する要望として、①新薬創出・適応外薬解消等促進加算の本格導入②市場拡大再算定の廃止③特例再算定の廃止④毎年薬価改定への反対⑤新薬14日間処方制度の見直し――の5項目を提示。特に新薬創出加算制度については「米国本社も注目している」として、本格導入に向け、業界を挙げて取り組む姿勢をみせた。一方、市場拡大再算定および特例再算定については、「画期的な新薬を開発した企業にペナルティを科すという、イノベーション促進を著しく阻害するもの」と批判。昨今の毎年薬価改定への動きも踏まえ、「日本の医薬品市場が縮小し、外資系企業として日本の魅力が低下し、投資リスクが上昇することを懸念している」として廃止を要望した。
また、梅田社長は医療費や薬剤費に対する私見を披露し、最近の状況について「医療費はコストの観点がフォーカスされ、成長分野として捉えるビジョンが不足している」と指摘。薬価に関しては、「市場実勢価に基づかない薬価削減では、継続して画期的新薬を創出していくことができない」と主張し、イノベーションを適切に評価することが画期的新薬の継続創出に繋がり、その新薬が国民の健康に寄与することで、国民が納得して新薬に支出できるという、「こうした流れを実現していくことがこれからの日本には必要」と語った。
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