安定した公務員を捨てて、知人のベンチャー起業を手伝うべきか。

2016/3/10

【佐山氏への相談】

40代の公務員です。この1年、上司と折り合いが悪く、仕事も回らなくなって壊れかかったので、知人のアドバイスで受診したところ、入院を勧められ数カ月入院しました。
退院したものの、職場に出て彼らに顔を合わせることに恐怖心があり、仕事が手につきません。
そんな中、東京の知人から起業したいので協力してもらえないかという相談を受けました。とても協力できるような能力はないと答えたのですが、知人は地元に顔が広く知識もあるのできっと大丈夫だといってききません。
今の組織にいても貢献できることが見つからないと思う反面、中年になって辞めるのはリスクが高すぎと怯える気持ちもあり、迷っています。
主治医に相談したところ、仕事に出て再び病めばさらに発病のリスクが高まるので、辞めるのも選択肢ですよ、とのことでした。どうすればいいのやら、自分では決断がつきません。ご助言をいただければ幸いです。
(公務員、男性、40代)

「最高に満足する仕事」

上司と折り合いがつかず、数か月入院された40代の公務員の方のご相談です。
まず、何を自分の仕事とすべきかを決定する要因について考えてみましょう。
人生、短いようで長いものです。「仕事」に割く時間の合計は非常に膨大で、「仕事」が人生の重要な部分を占めることに誰も異論はないでしょう。
では、その仕事をどのようにして選択すればいいのか。それは、大きく分けて、下記の経済的な要因と精神的な要因に分けて考えるといいと思います。
(1)生活の糧を得る経済的な要因
(2)人生を豊かにする精神的な要因
この2つの要因が最高レベルに達して満足できるならば、最高の仕事に巡り合ったことになります。
最高レベルに達したかどうかを確認するためには、それぞれの最高のポイント(状態)を設定しないといけません。なぜなら、最高のポイントをセットしないと、現時点のポジションがわからないからです。
例えばマラソンを考えると、ゴールは42.195kmです。10km走れば、まだ32.195km残っているという自分のポジションが認識できます。40km走れば、あと2.195kmだと認識できます。最高ポイントとの関係が満足度を決めると思います。
では、まず(1)の生活の糧を得る仕事の経済的なレベルの最高レベルのポイントを考えてみましょう。