衆院議席配分:「アダムズ方式」容認 20年国勢調査から
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民主党を筆頭とする野党、そして公明党も粘り強く主張した結果。
この点に関しては、野党の存在意義を改めて感じます。
さて、「議員定数を10削減すること」については与野党で一致が見られており、議論となっているのは「どのようにして10減らすのか」です。
そして、小選挙区6、比例区4削減という道筋の中で、特に小選挙区に関しては、「どこを増やし、どこを減らせば、一票の格差は是正されるのか」ということを慎重に議論しなければなりません。この点に関しては、「国会議員の数が多いから減らすんだ」という意見が見られますが、そうではなく一番最初に来る目的は「一票の格差是正」です。
そして「アダムズ方式」というのは、小選挙区において人口比をなるべく尊重して議席配分を考える計算式で、政府が設けた諮問機関によると、これによって1票の格差は「1.568倍」となり、最高裁の判例による基準をクリアできるとされています。(ちなみに、「アダムズ」というのはアメリカ6代大統領アダムズがこれを提唱したことに由来します。)
そして、純粋にアダムズ方式で計算すると、「9増15減」がベストだという試算になります。
(増減は以下のとおり)
増:東京都で4、神奈川県で2、埼玉、千葉、愛知各県で1増加
減:青森、岩手、宮城、福島、新潟、三重、滋賀、奈良、広島、山口、愛媛、長崎、熊本、鹿児島、沖縄の15県
なぜこれに対して自民党が慎重なのかというと、上記の地域を見ていただければ分かる通り、都市部で議席が増え、地方で議席が減ります。そして、自民党は地方が強く、無党派層・ゆるい自民党支持層が多い都市部は苦手なのです。
そこで、野党らはこれを主張していくものの(共産党だけは小選挙区は辞めにして比例区にしろと主張していますが)、自民党としては「0増6減」も含めて検討していくということになります。民主・公明が早期導入を希望するアダムズ方式を自民党が20年の国政調査から導入す方針を発表したとのこと。
昨日のNHKの記事をよむと本件に対する各党の意向がよくわかる。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160226/k10010422911000.html