商船三井、構造改革費用など最大1800億円の特別損失計上へ
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注目のコメント
今回、今期着地見込みについて、営業損益段階からの赤字転落が発表された。(当社プレス)http://www.mol.co.jp/ir-j/data_j/pdf/news_20160129.pdf
追記:SPEEDA及び当社発表資料
まずは、業界を読み解くための前提知識
■業界概要
・海上輸送は、運行形態に応じて定期船輸送と不定期船輸送に分類
・定期船輸送の特徴:利益は1隻当たりの稼働率に左右。荷動き量や季節要因により、往航と復航の運送量が不均衡になりやすい
・不定期船輸送の特徴:一隻単位で船を借り切るケースが多い。契約期間は、1年単位の契約から10年といった長期の契約、臨時の需要に応じ1航海単位で契約するスポット契約等がある
・2003年-2007年の海運好況期に大量発注された船腹が、リーマンショックの影響で竣工ピークが後ろ倒しになり、2011年、2012年と高水準の竣工が続いた。その結果、2013年は前年比▲26.3%と縮小、造船供給能力の過剰の情勢など厳しい市場環境下、調整局面に入る。
■当社(単位:百万円)
2014/03期 2015/03期 (参考)2013/03期
売上高合計 1,729,452 1,817,069 1,509,194
営業利益 41,092 17,249 -15,766
経常利益 54,985 51,330 -28,568
当期純利益 57,393 42,356 -178,846
※2013/03期は、高水準の新造船の大量竣工の影響を受ける
今期予想
2015/12月 2016/03期(予想)
売上高合計 1,317,134 1,720,000
営業利益 9,586 ▲5,000
経常利益 38,792 32,000
当期純利益 13,294 ▲175,000
コメントしている方もいるが、今回の営業赤字の要因としては市況センチメントの悪化等により需給バランスが崩れ、運賃率の低迷等を引き起こしたことが大きいという印象。ただ、経常利益ベースでは黒字転換(当社発表(2015/12月時点):為替変動+234億円、燃料油価格変動+544億円、積取り/運賃変動など▲688億円でプラス)三大海運会社の日本郵船、商船三井、川崎汽船は、時価総額にしてざっと4000億円、3000億円、2000億円。金融危機前のピーク時株価の1/5で、ピーク時には川崎汽船を含めて3社の全てが時価総額1兆円超でした。
三大海運会社より下位の企業は更に大変です。海運業界では、2012年に三光汽船が会社更生法適用にて、2015年には第一中央汽船が民事再生法適用にて、倒産しています。
ちなみに三光汽船は1985年にも会社更生法を適用しています。会社更生法が2回適用された珍しい企業です