採掘可能数の半減、企業の淘汰……2016年のビットコイン業界予測

2016/1/20
日本では十分に普及しているとは言えないビットコインだが、各国では着々とビジネスが立ち上がりつつある。ブルームバーグのOlga Kharif記者が、ビットコイン産業の今と2016年の動向をリポートする。

ユニコーン誕生の可能性も

騒ぎは多少収まったかもしれないが、それでも2015年は仮想通貨ビットコインにとって多忙な一年だった。
ベンチャーキャピタルによる投資が初めて10億ドルを突破し、ビットコイン・インベストメント・トラストのような企業が誕生したおかげでビットコインへの投資が容易になった。
ウェドブッシュ・セキュリティズのアナリスト、ギル・ルリアは、ナスダックやアメリカン・エキスプレス、VISAのような大手金融会社がビットコインのスタートアップ企業に投資したことが、「ビットコインの技術に対する姿勢が一変するきっかけになった」と指摘する。
では2016年には何が待っているのだろうか。
おそらく企業価値が10億ドルを上回るビットコイン企業が初めて誕生し、ビットコインの生産が設計上の理由で減速し(これによって採掘会社の一部は破綻するだろう)、ビットコインとその技術を受け入れる金融機関が増えると予想される。
主な未知数はビットコインの価格、消費者に受け入れられるかどうか、そしていつものようにビットコインの発明者サトシ・ナカモトの正体だ。
ビットコインを購入し、関連スタートアップ企業に投資したベンチャーキャピタリストのティム・ドレイパーは電子メールでこう予想した。
「今年はビットコインについて多くのことが明らかになるだろう。私は消費者向けアプリの一部が注目を集めるようになると思う。米政府がとうとうビットコインを通貨として認め、初のビットコインのユニコーンが誕生するとみられる(コインベースかもしれない)」

採掘者には厳しい展開