退任を決意した「DRESS」編集長が見つめる、編集者の新たな活路とは?
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長文ですが、メディアに関係する仕事を生業にしている方にとっては必読のロングインタビュー。
山本さんほどの方でも、苦戦を余儀なくされる雑誌業界。他の方は推して知るべし、ただ、この流れを「紙からWebへ」という単純な図式で捉えるのは誤りで、いわゆる分散型メディアの一角として、雑誌をどう捉え、他のメディア(リアルな場も含めて)と連動していくか?を考える時代になったということ。
「今の時代のメディアは、コミュニティを作らないと意味がない」
「ただ、ほとんどの紙の編集者はそこにシフトできないと思いますよ。 というのも、紙というものが上位概念にある限りダメなんです。」
「もし、雑誌の編集者が先ほど述べた自己解体に成功し、本来持っている「何を、誰に、どう伝えるか」というスキルに柔軟な発想が加わったとき、コンテンツマーケティングのエキスパートになれると思うんですよ。」
などなど、珠玉の名言の数々がちりばめられてる。
山本さんの「編集塾」めちゃくちゃ興味ある。ぜひ入ってみたい。探してみようっと。DRESSで連載もしていた身としては、今回の山本さんの退任と休刊は残念。その上で今の時代に雑誌を作っている立場として思ったことを。
山本さんと話す時によく言われていたのが、読者対象として捉えていた団塊ジュニアの難しさ。それまで美魔女世代、いわゆるバブル世代に比べると、個がバラバラで大きなムーブメントが作りにくいと、おっしゃっていた。
確かにその一面はあると思う。アエラも40歳前後を意識した特集はなかなか売上が伸びない一方、50歳やバブル世代を特集すると売上が伸びる。紙への信頼、紙好きはまさにこの世代が下限なのだと思っている。
年齢の問題を取り上げた一方で感じるのは、もはや雑誌のターゲットは読者の年齢、性差、未既婚など属性で決めることが難しくなっているということ。
今一番成功しているVERYのように属性をゆるく捉えて、むしろ雑誌の価値観で人をどんどん巻き込んで行く、VERY文化圏、VERY層というような人たちを作っていけるかが勝負の分かれ目。アエラも2000年代前半、アエラを読んでいる女性がアエラーと呼ばれていた時が一番勢いがあった、
新たな生き方や価値観を提示でき!それが時代の気分と合うと、コミュニティは勝手にできて行く。