次世代の資金は社会貢献企業へ
2015/12/17, Bloomberg Businessweek
「インパクト投資」の勝算
今年4月、デボラ・ウィンシェルは資産運用会社ブラックロックにおける初のインパクト投資部門のリーダーに指名された。その2カ月後、彼女はサンフランシスコにいた。同社のヘッジファンド・マネージャー、ライアン・ラフォンドに会うためだ。
ラフォンドとリサーチチームは2年を費やして、株式市場の変動を予測するアルゴリズムが、事業で社会に貢献している企業の選別に使えるかどうかを調べた。
「企業市民」として信頼できる企業を割り出す──。それはウィンシェルが貧困と戦うロビン・フッド財団のトップとしての職を離れた理由の一つだった。ウォール街には世界の緊急度の高い問題を解決するために果たすべき役割がある、と彼女は思っている。
インパクト投資が戦略として浮上してほぼ10年経つが、ウォール街の投資家はいまだに懐疑的だ。一つには、利益を計量化することが難しいからだ。
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コメント
注目のコメント
「インパクト投資を構築した大部分の人々は活動家の観点から資本市場に進出したが、今、インパクト投資に向かう人は伝統的な投資家の視点から出発している。両者が今、真ん中で出会った。どこか落ち着かない気分を感じながら」・・・この感じ、良く分かります。
今、SIB(ソーシャルインパクトボンド)推進のために経済産業省が日本財団と行っている検討会のひとつである、「ヘルスケア分野におけるソーシャル・インパクト・ボンドに関する検討会」のメンバーとして会合に出席しています。
確かにここに書かれていることはその通りで、SIBができることに関して、人々に過大な期待を抱かせてしまうのはまずいのですが、我が国においては、まずは人々に関心を持ってもらうこと、それが大事だと思っています。これは運用機関の話だけではない。
CSRをブランディングのためだけにやるのか、それともCSRを軸に経営することで、働く社員・顧客に対し価値提供が出来る企業になると判断するか。
少なくとも5年前は、ブランディングの視点が100%だった。
しかし、20代メンバーをみていると、素直に社会課題を解決することが、自分の生きがいと感じている人が急速に増えている。自分は社会の一員という意識の高まりは、経営陣がCSRを真正面から意識しているか?は大事な姿勢になっているのだと思う。短い記事ではあるが、社会的な投資の難しさを表現している。市場にフロンティアが無い中で、社会的な価値観を広めて市場を創ることは新しい経済成長分野を創出すること。金融が社会貢献に興味を持ったというよりも、成長分野が見つけられずに興味をもたざるをえなくなったというのが背景だと思う。
資本主義は全てをマネー基準にすることで単純化し拡大してきた。しかし、今私たちが直面している課題は、資本主義の枠外にあるもの。金融という資本主義のモノサシで果たして、インパクト投資を測ることが出来るのだろうか?また、私たちが直面している社会課題は多様。この社会課題に対して、数字と言う究極の客観で評価する金融が、果たして有効に機能するのか疑問もある。
Social Impact Bondなど、新しい動きもはじまって評価が少しずつ蓄積され始めているので、新しい金融のイノベーションと社会の発展がリンクするのか、これから見えてくると思う。
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