決算発表後の第一印象
リコール費用計上は十分とは言い難い印象だ。自動車メーカーの不採用方針が相次いでいるが、直近の株価暴落を勘案して、株価に対しては「ややネガティブ」な印象程度に止める。
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独立系の大手部品メーカーで、主製品はエアバッグ、シートベルト等の安全部品。ホンダを始めとして、国内外の多くの自動車メーカーへ納入しており、世界有数の自動車安全部品メーカーの1つである。2014年夏以降、一連の大規模なリコール(同社製エアバッグの不具合に起因)が、米国市場を中心に大きな社会問題となっている。
上期実績は、売上高は+19%増、営業利益が+33%増、親会社株主に帰属する四半期純利益が▲56億円の赤字(前年同期は▲352億円の赤字)となった。基本的には大幅な増収増益決算であるが、為替差損益の悪化、及び、またしてもリコール関連費用を特別損失に計上したため、最終赤字となっている。
2016年3月通期の会社予想は、親会社株主に帰属する当期純利益を従来予想200億円から今回50億円へ大幅下方修正した。最大要因は、リコール関連費用を特別損失に計上したため。営業利益は従来予想の400億円(+21%増計画)を据え置いている。営業利益の据え置きは十分評価できるが、リコール費用の特損計上額は十分とは言い難く、最終黒字の維持は微妙と考える。(増減率はいずれも対前年同期比)
今後の注目点
ホンダを始めとする複数の自動車メーカーが、同社製のインフレーターを用いたエアバッグを次期モデルから採用しない方針を相次いで打ち出した。これは、当然ながら、大きなネガティブニュースだ。Longineでは、これが中期的な業績に与える影響を精査していく。また、リコール費用の追加計上の可能性についても注視したい。
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