[東京 28日 ロイター] - 東芝<6502.T>は28日、不正会計問題を受けて不振が露呈した事業の構造改革の第一弾として、半導体事業の対策を発表した。赤字に苦しむシステムLSI事業とディスクリート事業の改善策で、イメージ(画像)センサーと白色発光ダイオード(LED)から撤退するとともに、関連事業内で早期退職優遇制度を実施し、2017年3月期の黒字化を目指す。

システムLSI事業は、イメージセンサーを製造する大分工場の生産棟をソニー<6758.T>に売却して、車載用半導体やモーター制御ドライバなどに経営資源を集中する。また、大分工場(大分市)と岩手東芝エレクトロニクス(岩手県北上市)の2拠点の運営を統合する。このため、新会社を来年4月めどに岩手県北上市に置く計画。大分工場は閉鎖しない。

大分工場の生産棟の売却は16年3月期中に完了し、関連する人員は、1100人がソニーに転籍する。売却額は非公表だが、200億円規模になる見込み。

ディスクリート事業は、今期中に白色LEDから撤退し、パワー半導体や光デバイスに経営資源を集中する。撤退費用は200億円を計画。姫路工場(兵庫県太子町)、加賀東芝エレクトロニクス(石川県能美市)、豊前東芝エレクトロニクス(福岡県豊前市)の国内3拠点は閉鎖せずに存続する。

早期退職優遇制度は、システムLSIとディスクリートの両事業に関わる9000人からソニーに転籍する1100人を除いた7900人が対象。東芝は、早期退職と配置転換を合わせて1200人に影響が及ぶと想定している。

来期の黒字化に向けて、システムLSI事業は160億円、ディスクリート事業は100億円の固定費を今期中に削減する計画。

半導体事業は、全社の稼ぎ頭であるNAND型フラッシュメモリーを除いて不振が続いていたが、今回の構造改革策で改善させるねらい。このほか、白物家電、液晶テレビ、パソコンの各事業も赤字が続いており、近く構造改革の対策を公表する方針。

*内容を追加しました。

(村井令二 編集:内田慎一)