DJ-EU、スタバとフィアットに未払い税の追納命令
2015/10/21, ダウ・ジョーンズ
【ブリュッセル】欧州連合(EU)は、米コーヒーチェーン大手スターバックスと欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)に対し、数千万ユーロの税金未払いがあったとして追納を義務付けた。これまでに例のない決定で、EU全域で多数の税務裁定に疑問を呈す事態にもつながりかねない。
EUの執行機関である欧州委員会は21日、スターバックスがオランダで、FCAがルクセンブルクでそれぞれ受けた優遇税制が違法な政府補助に当たると結論付けた。
欧州委員会はその上で、オランダ政府とルクセンブルク政府にスターバックスとFCAから税金を追徴するよう命じた。その額は1社につき2000万~3000万ユーロ(約27億~40億円)に相当するという。今後は同じ税務裁定によって与えられた優遇措置を継続適用できないことも定めた。
欧州委員会は声明で、これらの税務裁定が「課税所得を確定する上で不自然かつ複雑な方法を認める」ものだったとし、「経済的な現実を反映していない」と述べた。
今回の決定で、欧州委員会が着手している法人税関連の調査5件のうち2件が終了した。だがEU各国が多国籍企業に与えた数千件にも上る税務裁定が今後問題となる可能性もある。
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