[東京 29日 ロイター] - 民事再生手続き中のスカイマーク<SKALF.PK>は29日、再生計画を実行に移す新経営体制を発足させた。ANAホールディングス<9202.T>傘下の全日本空輸とコードシェア(共同運航)契約を締結したことも発表、来秋の開始を目指す。

スカイマークは同日100%減資を実施するとともに、投資ファンドのインテグラル、ANA、日本政策投資銀行と三井住友銀行の折半出資ファンドといったスポンサーが計180億円を出資、新たな株主となった。インテグラルの佐山展生代表が会長に、政投銀元常務の市江正彦氏が社長にそれぞれ就任。全日空からは整備部門の経験がある矢口秀雄氏や増川則行氏も取締役に就いた。

佐山会長は「今日が本当の意味でのスタート。地域経済の発展に寄与し、顧客の支持を得られるような航空会社になる」と決意を表明。市江社長は「価格が安いことが一番重要な点。LCC(格安航空会社)と違って機材に余裕がある」とし、LCCとは違うサービスを提供していく」と語った。

全日空との共同運航については路線などの詳細を今後詰めるが、佐山会長は「来月中旬ぐらいまでに方向性を示せれば」と話し、両社の予約システムの情報共有を可能にする仕組みづくりに時間がかかるため、開始は「来年の冬ダイヤ(10月下旬以降)から」を目指すと述べた。

また佐山会長は、全日空と共同運航は進めるが、あくまで「独立性を維持する」方針をあらためて強調。顧客に受け入れられる「適正な運賃を貫く」ことで新経営陣の全員が合意しており、需給の面で多少値上げすることがあっても「全般的に上がることはない」と語った。

みずほ銀行との間で5年間にわたる100億円のコミットメントライン(融資枠)契約を17日に締結したことも合わせて発表した。佐山会長は「今月末でわれわれが融資した45億円を返したもらった後でも約20億円のキャッシュがある」として現状、資金面に不安はないと説明した。ただ、為替変動や燃油高など事業環境の急激な変化に備え、資金繰りが盤石な体制を整えた。

スカイマークは安倍政権が目指す地方創生を追い風にし、旺盛な訪日需要も取り込み、早ければ3年後、5年以内の再上場に向けて再建を本格化させる。

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(白木真紀)